・・・�� ページ29
吉良さんがいてくれる。それだけで安心できた。
お父さんやお母さんが亡くなってからは、頑張ってひとりで生きていこうって決めてたけど……寂しくて辛くて、本当は誰かにすがりたいって、ずっと思っていたの。
温かくて広い胸に安心しながら寄り添っていると、突然グラッと身体が傾いて、柔らかいベッドの上に押し倒された。吉良さんの身体が覆いかぶさった瞬間、ゴンッと鈍い音がして暗闇から悲鳴が上がり、ズシッと全身に彼の重みがのしかかって来た。
「う……き、吉良さ__お、重くて息が、苦しっ＿」
「ッ……」
呻きながら身体を起こした吉良さんに、一体何があったのだろうと暗闇の中で必死に目を凝らすと__肩を押さえた彼とベッドの脇に転がる大きな何かが見えた。
「大丈夫ですか？もしかして肩を痛めたんですか？」
「ああ……そこの壺が肩に直撃した。おそらく、骨折したと思う」
「え!?た、大変！救急車呼ばなきゃ！」
雷が怖いなどと言っている場合ではなかった。
吉良さんに電話の位置を聞くと、手探りで部屋を出て何とか辿り着き、慌てて救急車を呼んだ。
激しい痛みのおかげで、すっかり酔いは冷めていた。
まったく、とんだ失態だ。酒に呑まれるなど。あのままベッドに押し倒して__私は何をしようとした？いくら酔っていたとはいえ……どうかしている。
病室を出ると、Aが心配そうな顔で側に寄って来た。
「どうでしたか？」
「やっぱり骨折していたよ」
「吉良さん、もしかしてあの時__あの壺から、私のことを庇ってくれたんじゃないですか？」
純粋なのか馬鹿なのか__この小娘は、全てをいい方向に解釈しようとする。私が押し倒した後、何をしようとしていたかなど、考えようともしないのだ。
「……ああ。君に怪我が無くて、本当に良かったよ」
「ありがとうございます！なんてお礼を言ったらいいか」
すっかり私を信用しきっているAに、ある提案を持ちかけると、彼女は戸惑いながらもそれを承諾してくれた。
「明日は学校が午前中で終わるので、夕方には来れると思います。でも、本当にすみませんでした。私のせいで」
「大丈夫だ。この程度で済んだんだから、運の悪い出来事じゃあないよ」
だって、そうだろう？骨折したおかげで自分のヘマはごまかせたし、【彼女】と同居することができるんだ。
「私は常に、運に味方されているからね」
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m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
