・・・�� ページ28
柔らかく温かい感触を身体中に感じて、今までにないくらい心臓が激しく波打っている。
まただ……一体なんなのだ？
この__奇妙な感情は……？
どうにも理解しがたい感情に戸惑い、耐え難い気持ちになった。この感情が不快というわけではなかったが、心臓の鼓動が激しくなるのだけはイヤだった。
私は平穏な人生を送りたいのだ。常に私の平和をおびやかす者と対峙しているような、戦闘前の緊張状態のような、こんなドキドキした落ち着けない気分など真っ平だ！
……いや、違う__違うな。このドキドキ感は、平穏をかき乱される時に感じる不快なものとは、まったく違う……。
だんだんと暗闇に目が慣れてきて、繋いだままの手に思うがままに頬ずりすると、スベスベとした滑らかな感触が頬を刺激し、本来の私を取り戻させた。
そうだ、私には【彼女】さえいればいいのだ。【彼女】を腐らせないために、この小娘を生かしてやっているのだ！今感じているこの奇妙な感情など、どうだっていい！こんな感情に、振り回されるべきじゃあない‼
得体のしれない感情をかき消すように、何度も頬ずりしていると、Aが震えた声を出した。
「お父さんやお母さんが事故で亡くなった日も、雷が鳴ってたんです。雷は私の大切な人達を奪っていく！だから、いなくならないで吉良さん。私のそばから消えないで！」
「大丈夫だよ。私は消えたりなどしない。ほら、手だってしっかりと握っているだろう？もしも、雷神に連れて行かれそうになったとしても__君のこの美しい手を決して離したりはしないよ」
「吉良さん……」
激しい稲光が窓の外から差し込み、私の胸から顔を上げた彼女の表情がはっきりと見えた。涙に濡れた安心しきったようなその表情に、えも言われぬ快感が走り抜ける。
「クッ__」
下半身が熱を帯びてくる。子供の頃、初めてみたモナリザの手……その時に感じた気持ちと同じものが、今まさに、私の心を支配しようとしていた。
欲望がひとり歩きする。この小娘を、どうにかしたい……と。
それを抑える理性は、酒の力ですでに遠くへ押しやられていた。本能が命ずるままに__欲望を満たそうと、そのままAをベッドに押し倒した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 691人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
