・・・�� ページ27
「あ、あの、吉良さん、すみません」
Aがおずおずと声をかけて来る。
帰りたい__か？逃すはずないだろう。
「し、しばらく、このままでいてもらえませんか？」
「……？」
「て、手を離さないで下さい」
「……⁉」
「雷が止むまでは」
「雷？」
「はい、大嫌いなんです。怖くて__きゃっ」
唸るような雷鳴が轟き、彼女は小さく悲鳴を上げた。
「雷が怖い……」
「はい」
「雷が__」
「はい」
怖いのは私ではなく……この、吉良吉影ではなく__
雷……だと？
「……フッ、フフフフッ」
おかしくなって、つい笑い声が漏れた。そんな私を見て、Aは恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「お、おかしいですか？でも苦手なんです」
「いや、すまない。いつもなら笑ったりしないんだが、フフフッ」
「……吉良さんがそんな風に笑うところ、初めて見ました」
「ん？ああ__少々酔ってしまったせいかな」
ゴロゴロゴロッ__
「きゃあっ」
彼女のもう片方の手が、私の手の上に重ねられてきた。
ゾクゾクッ__
サンドイッチのように挟まれた自分の手に、快感が走る。
「こ、怖いよぅ」
「大丈夫だ」
椅子から立ち上がると、小さな子供のように怯えるAの横に移動して、空いていた手で【彼女】を摩った。
「絶対に離さないから」
ずっとこのまま……永遠に__ね。
「私……吉良さんの大きな手に包まれていると、とても安心するんです」
Aは心底ホッとしたように肩の力を抜くと、私の肩にもたれかかってきた。
その間中、心が奇妙な幸福感で満たされていく。いつものように、【彼女】に触れている時に感じる幸せはもちろんのこと__それだけではない何かが、甘く私の心にのしかかった。
これは酔いのせいなのか……いつもと同じ品種のワインだというのに......。
「部屋をひと通り案内しようか......おいで」
食事を終えると、長い廊下をふたりで歩き始めた。彼女はよほど怖いのか、手をしっかりと握ったまま寄り添うようにくっついてくる。ちょうど寝室に入ったところで、今までにない激しい落雷の音が聞こえて、パッと電気が消えた。
「ブレーカーが落ちたな」
「怖い!!」
「……ぅ」
しがみつくように抱きつかれて、身体が密着し__小さい呻き声が漏れた。
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m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
