好きになる瞬間ｰｽｷﾆﾅﾙﾄｷｰ【A３！】

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【side*至】


朝、出社前にコーヒーを飲んでいたら目障りな軟派が視界に入った。
普段ならスルーする事象。
けど、そのときの俺は何の気紛れか軟派されている子を助けた。




“この子、俺の連れだから”
“…可愛いんだから気を付けなよ？”




肩を抱いてにっこり頬笑む。
その後で言った言葉は、本心だったりする。
不意打ちだった。
下から潤んだ目で見られて、結構やばかった。
耐えた俺は偉いと思う。




しかも、寮に帰ってから再会するとか。
何それ、ギャルゲ？ 小動物系JKとか。 俺犯罪者か。




「至さん、百面相してどうかしたんスか？」

「いや、別に何でもない」

「ふーん？」




問題なのは万里の妹ってとこか。
マジで似てないし。 本当に双子かよ。




「！」

「万里？」

「至さん、ちょい行ってくる」

「は？ どこに？」





立ち上がったと思うと、足早に…は。
紬？ なんでお前、そんなAと近いの？





真っ赤だし、触られてるし。





「A、紬さんが困ってんだろ」




なる。 万里は筋金入りのシスコンな。
Aの攻略ライバル多すぎじゃね。
無理ゲー。 …まあ、譲る気もないけど。




..*....*..


【side*万里】



狩メン足んないからさ、とか言って至さんの城に連れ込まれて数十分。
A一人置いてきたけど、帰ったか？




何てことを考えていたら、泊まることになったと報告された。




は？ なに、そんなに仲良くなったわけ？




飯の時は、俺のそばにすら来なかった。
紬さんの隣とか…。




「…紬さんが困ってんだろ」

「あ…ごめん。 紬困ってた？」

「え、ううん。 俺は大丈夫だよ」




呼び捨てだし。
…紬さんは、困ってなかった。
困ってなかったから…ムカついた。




「俺んとこ来いよ」

「え…」




Aは至さんをちらりと見た。
目があったらしく、分かりやすく赤面した。




あー…クソッ。
今更だけど、紹介するんじゃなかった。





..*....*..

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