SO LUCKY 2 (ページ21)

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なんで…？～真子～ページ21

Aの話を聞きながら私は2年前の事を思い出していた。

Aとは高校からの友達で卒業してからもご飯に行ったり相談したりする仲だった。
とは言っても相談するのは私の方で、Aはいつも私の話を聞いてくれていた。

でもタカシと付き合ってから、Aは幸せそうに笑うようになった。たまにだけど私に相談もしてくれた。
タカシの話をする時は楽しそうで、そんな自分に気付いて恥ずかしそうにしていた時も何度かあった。

だけど、突然だった。
私に送ってきたのはたった一言。

「タカシと、別れた…」

この後Aに何度電話をしても全く出てくれなかった。
メールをしても「大丈夫だから心配しないで」としか返ってこず、
その後2カ月くらいAには逢えなかった。

それからというもの、Aは恋愛はもちろん、何かに関心を示したり、興味を持つ事をしなくなった。前と変わらないくらい元気に見えてもどこか心を塞いでる様に感じていた。

だから、ハイタッチ券について聞いてきた時にはビックリした。CDを買ったという事に驚いた。
驚いたけど同時に嬉しかった。

この2年間、動くことのなかったAの心が少しずつ変わり始めてるのかな…
少しでも変わるきっかけになればいいと思って少し強引にでもハイタッチに行って欲しかった。
もちろん仕事の都合が合えば私も行きたかったけど…。

でも、まさかあの日JBと会ってたなんて…
CDを買ったのも納得した。
変に律儀なとこはAらしい。

初めてJBと出会った時の事
私が見せた写真で助けてくれたのがJBだって知った事
JBとこの店に来た事
気分が悪くなってホテルまで連れていってくれた事…

Aはその１つ１つの思い出を、
すぐに壊れてしまいそうな宝物のように大切に話していく。

でも…
話の結末はハッピーエンドじゃない

「なんで…？」

ただこの言葉しか浮かばなかった

やっと出逢えた人
何にも動かす事が出来なかったAの心を唯一動かす事ができた人

何で身を引くの

AはJBの事を想ってる
だから身を引くのも分からなくはない

でも
じゃぁAは？

Aはいつも相手の事ばかり
自分の事は二の次

たまには自分の事を
自分の心を、気持ちを大事にしてよ

そう思ったら涙が止まらなかった。