01 同期 ページ1
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『お先でーす』
午後6時。
毎日決まった時間にぴったり退社する私は、机周りを片しながら適当に挨拶をした。
ちらほらと「お疲れ様ー」と返事が聞こえる。
仕事終わりに行きつけの居酒屋でビールの飲むのが生き甲斐の悲しい25歳社会人、七瀬Aとは私のことです。
むしろそれ以外楽しみはないし、彼氏もいない。ホントに悲しいね！
まあビールがあるからいいけど…と切ないセリフを心で吐きながら立ち上がった瞬間、右から手が伸びてきて、ばさりと私の机に書類が置かれた。
思わず右隣を見ると、隣のデスクであり同僚の白岩瑠姫が白い歯を覗かせながらニヤニヤとした表情で肩をすくめた。
「今日もまた定時帰宅？」
『…あのね、私は忙しいの』
「ふーん、どうせお相手はビールでしょ。暇ならプレゼンの資料手伝ってくれない？」
漫画から出てきた王子のような彼に呆れるのは入社してから何度目だろうか。
彼が何かをするたびに、きゃあきゃあと会社の女の子たちが黄色い声を上げるほど大人気。
なんせこのルックスで紳士的。おまけに仕事もできる。そりゃあそうだ。
でも「同期だから、同じ歳だから」と理由をつけて、入社してから結構な頻度で今みたいに仕事を手伝わされている私にはいい思い出なんて一つもない。
怒らせると怖いからちゃんと手伝うけどね。
私はネームホルダーを首から外しながら『お相手はビールじゃないです』と嘘をついてみた。
その場のノリでなんとなく、ぽろっと言っただけ。
「…まじで？本当に言ってんの？」
『えっ怖い何その顔』
「俺も帰る」
『は！？なんで！？』
ガチで荷物をまとめ始めた瑠姫の後ろに、会社の女の子たちがキャッキャと楽しそうに群がった。
「あの、白岩さん、この後みんなで一緒にディナーどうですか？」
「…え、あー、ありがとう。でも今日はちょっと…」
「ランチのときもご一緒できなかったのでぜひ〜！」
「私たち、プレゼンの用意お手伝いしますよっ！」
あららモテちゃって。
助けろと言わんばかりに睨まれるけど、そんなに人付き合い面倒ならはっきり断ればいいのに。
王子キャラも大変だなあ。
ぴくぴくと頬を震わせて対応する瑠姫を横目に、私は『じゃっ、お疲れ様でーす』とオフィスを後にした。
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あや - プデュのシリーズから見てます♪つ、続きがとっても気になる…みんな可愛らしくて、不器用で、きゅんきゅんしまくりです…！作者さまの、自然な文体がとっても読みやすくてわかりやすくて、とっても好きです！応援してます♪ (2021年2月28日 16時) (
レス) id: d5dd789089 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - ぬっとさん» わ〜！ありがとうございます！！さすが国民の初恋ですよね可愛さNo.1！！これから幼馴染の豆原くんを楽しんでくださると嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2020年8月2日 20時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
ぬっと(プロフ) - 豆かわいいです〜(*´-`)更新楽しみにしてます！ (2020年8月1日 3時) (レス) id: db7e1eb0c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - とこさん» お待たせしてしまってごめんなさい！！ぜひこれからも楽しみに待っていただけたら嬉しいです！！ (2020年7月27日 7時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - きのはさん» コメントありがとうございます！！大変長らくお待たせしました！！少しずつ頑張ります〜ッ！！！ (2020年7月27日 7時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごじゃむ
| 作成日時：2020年5月22日 22時
