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三話 ページ3

「じゃあ、皆でお菓子作りませんか!
クッキーとかカップケーキとか」
秋田藤四郎がはしゃぐ様子で提案した。
「あ〜……多分、料理はよしといた方がいいぜ。皆、主用に作るんだろ?」
 太鼓鐘貞宗が気まずそうに言うと全員こくりと頷く。
「俺やみっちゃんならそういうの得意だけどさ……ここ、料理が苦手なやつとかいるだろ。
それに全員分だと数がやばいぞ」
「なるほどな。
……うーん、中々いいのが出ないな。
小夜、五虎退、お前らは何かないか?」

 部屋の隅にきちんと正座していた二人は顔を見合せると、ぽそぽそと呟いた。
「ぼ、僕達…お花がいいと思います」
「花か。それなら全員渡せるな。
何の花にするんだ」
「……それなんだけど」
小夜左文字がちらりと横目で一目見、薬研は首を傾げた。

「歌仙から借りてきたよ…」
 小走りで部屋に戻ってきた小夜は、その両腕に抱えていた大きな本を机の上に置いた。
本の表紙には『花言葉・季節の花集』と記してある。
風流を愛し、雅を尊ぶ彼なら持っていそうな本だった。
「わあ、可愛い〜!どのお花もすっごく綺麗!」
本を開いた乱が感嘆の声を漏らし、それに続いて周囲が本を覗きこむ。
 両開きのページに桜や薔薇、向日葵などの花が記載されていて、その下にはそれぞれの花言葉が載っていた。

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作者名:北畠あかり | 作成日時:2017年3月27日 14時

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