審神者の話【刀剣乱舞】 (ページ2)

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二話ページ2

話は数時間前に遡る。

「大将の就任祝い？」
「そ。ちょうど一週間後でしょ。
主がここの審神者になったのって」
　薬研が出陣から戻って手入れを受けていると、同じく演練から帰ってきた加州清光と大和守安定が部屋に訪ねてきたのだ。
二人に寄れば、折角の記念日だから何か審神者に御祝いをしてあげたいという事だった。

「そうか。もうそんなになるんだなぁ……」
自分が本丸に顕現した日を思い出してしみじみと思い返していると、加州が話を続ける。
「俺達も二人で何か考えてたんだけどさ。
やっぱり他の刀の意見も欲しいから」
「任せとけ、兄弟達にも伝えとく。
他に頼んでおく奴はいるかい？
ついでに言ってきてやるぜ」
「あ、じゃあ他の短刀と、太刀の皆もお願い。打刀と槍は僕らが行くから」

「わかった」

「てな訳で、そういうことだ。
誰かいい案があったら言ってくれ」
　居間に集まった短刀達と顔を見渡し、薬研がそう言った。
「ボク、歌とかダンスがいいな～。
主さんも一緒に入れば楽しめるし！」
　乱藤四郎が上機嫌に案を述べたが、向かいに座っていた平野藤四郎が手を挙げる。
「それでは練習するのに時間が必要でしょう。
それに主に見つかってしまうかもしれません」
「そんじゃあビデオメッセージとかどうだ？
確か陸奥守がカメラ持ってただろ」
　と、厚藤四郎。
「悪くないけど、それもちゃんと全員分撮りきれるか分かんないよ。
最近、政府の人らの演習でいち兄たち忙しいみたいだし」
今度は信濃藤四郎が苦笑しつつも反論した。
「そういう類のは控えた方がいいかもしれませんね。
ここは贈り物など如何でしょう」
　隣に座っていた前田藤四郎が少し考えるような仕草で言った。
「そいつはいいな。皆、何を贈りたい？」