…28 ページ29
三階から一階まで降りて、裏口へ向かう。
時に人がいて焦ったが、何とかここまで来れた様だ。
周りを何度も見てから、Aはそっと裏口から外へ出た。
________ふふっ、外に出ちゃえばこっちのモンよ!それにしても簡単に出られたわね…。
そんな事を思いながら、Aは路地裏に入った。
当然、目立たない所にいればバレにくいから。
まだちゃんと履いていない靴を履き直す。
上を見上げると、ピンク色に染まった雲が浮かんでいた。
それと一緒に空で飛んでいる小鳥達。
『…私も、あんな風に自由だったら……今頃楽しかったんだろうなぁ…』
誰の耳にも届く事のない声は、空気の中に溶け込んでいく。
________…駄目駄目、せっかく外に出たんだもの、少しは楽しまなくちゃ。
Aは気持ちを切り替えて、再び歩き始めた。
その直後、Aの脇腹に激痛が走った。
何が起きたのか分からず、ただ痛みに耐えきれずその場に倒れ込む。
微かにAに見えたのは、走り去る男と真っ赤な血。
________………あれ、今の通り魔…じゃなかったっけ…?ついてないなぁ……このままじゃ、時間の問題も…。
痛みには慣れているAだが、こればかりは別だ。
重くなっていく瞼。
薄れて行く意識。
そんな中見えたのは、人の脚だった。
通り魔とは違う、別の人の脚が。
『…だれ……?』
もう駄目だ、Aはそう思ってから意識を手放した。
Aの前に立つ男は、じっとその様子を見つめていた。
地面に落とした煙草を踏みつけて。
280人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほのぴ(プロフ) - 私も次元大介大好きです。年長さんからみ初めて。次元推し10年目です (2018年5月12日 15時) (レス) id: 91d2c22867 (このIDを非表示/違反報告)
うねゆ(プロフ) - 鈴巴さん» レス付け忘れました申し訳ございません…! (2018年3月6日 19時) (レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
うねゆ(プロフ) - ホントですか?!墓標カッコイイですよね…!作品についても感想ありがとうございます!励みになります!! (2018年3月6日 19時) (レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴巴 - 次元大介の墓標ついさっき見てましたwまだ見終わってないけど!作品面白いです!これからも頑張って下さい!(^▽^)/ (2018年3月6日 17時) (レス) id: ad3d79f394 (このIDを非表示/違反報告)
うねゆ(プロフ) - 畢竟無さん» 墓標知ってる人いた…!!コメントありがとうございます!(;///;)意外と深緑色もしっくり来ますよね…! (2017年3月31日 23時) (レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うねゆ | 作成日時:2015年8月11日 15時