ソクミン君は歌う

探検だ ページ14

そんなこんなで入院してから１ヵ月が経った。





骨折も完治といったところだ。



車椅子なしでそこら辺をぶらぶら出来るようになった。

それもあってか、最近の趣味は院内の探検。

ここの病院は馬鹿でかくて立派。外観も良さげで、私みたいな貧乏人が来るような所ではない。





では何故私はここに入院出来ているのだろうか。


とまあ最近の私の脳内はそんなことで埋め尽くされている。



いつまでも病室でじっといているわけにもいかず、今日は病室から遠く離れている所まで探索といったところだ。





hy「 あら？A、何処にいくの？」




「 まあ、暇だからそこら辺ぶらっと散歩 」




hy「 そう。あまり遠くまで行って迷わないようにね？オンニ心配で仕方がないわ。一緒に行く？」



「 ･･････ 仕事しな？」




この人は抜けてるのか、それともわざとなのか。
Aはしっかり者ね！と笑う彼女に笑うしかない。




「 じゃあね？ちゃんと仕事してね。」




そう言って離れようとすると、バッと手を掴まれた。




どうしたのか、と振り返り尋ねると、それはもう真剣な顔をしていて驚いた。



hy「 一番奥にある特別病棟の病室、0218号室には近寄らないでね？」



「 え？」



なんだそれ。ポケーとした顔で見つめていたせいか、オンニはなんでもない！と言い直してそそくさと行ってしまった。




気にしないでおこう。









と、まあ思ってたけどさ、行くなって言われたら行きたくなるのが人間の心理だよね。よし行こう。




今日はいい暇潰しが出来た。

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