calling ! ページ18
夏合宿なんて無法地帯だぞってドンヒョクが言ってたのは本当だったんだなと思ったのは夜の宴会場でのことだった。最初はブルーシートの上でチーム分けされたメンバーで飲んでいたけれど、時間が深まるにつれて色んなグループが出来上がっていて皆自由に行き来するようになっていた。雰囲気に飲まれて一気飲みしたり、とにかく飲みゲーをしたり。そうなるとパーソナルスペースがゼロになるあのゾーンがやってきて、ハイタッチするように手を繋いだり、寄りかかって肩を組んだり。恋人がいようがいまいがお構いなしの様子だった。
お酒って凄い。人の判断能力をこれでもかとダメにする。というか普段の飲み会でもここまで酷くはならないのに。やっぱりちょっと遠出して泊まりで飲むのって解放感でもあるのかな。
「大丈夫？」
「あ、うん。大丈夫」
遠巻きに皆を見て外で休憩をしていたら、隣にスビンがやってきた。眠いのか目はふにゃふにゃしていて顔を真っ赤にしていて、大丈夫かと聞きたいのは私の方だった。
「………何？」
スビンが私の目をじっと見る。
「Aってさ、好きな人とかいんの？」
「えっ。何急に」
「なんかそういう話聞いたことなかったなーって」
やっぱり酔ってるスビンって面倒だなと思う。逃げてきた先でまた逃げる羽目になるとは。どうしようかと考えているとスビンは不思議そうに首を傾ける。
「そういうスビンはどうなのよ」
「おれぇ？…………いる」
「誰？」
「スア」
スビンはそういうと耳まで真っ赤にさせて俯いた。そんな素振り全然見せていなかったのに。私はバシバシとスビンを叩いて興奮する。どこが好きなのとか、いつから好きなのとか、聞けることは全部聞いた。背が高くて見た目だってかっこいいくせにスアのことを話す時は自信がなさそうに丸まって話している。
「なんで告白しないの？」
「なんでって。いくら俺がスアを好きでも、スアも俺が好きだって確信がないと告白なんてできないよ」
「……そうなの？」
「そういうもんなの」
そうなんだ。そういうものなんだ。……そうだよね。誰だって振られて傷つきたくはないだろうし。でも、好きだって確信はどう得るんだろう。何を確信にするんだろうか。例えば私だったら、何をあげられるんだろう。
「電話鳴ってるよ」
「えっ、ああ」
「ドンヒョクと仲良いよね」
「そうかな」
「早く出てあげなよ」
有無を言わさない雰囲気。三コール、四コール、五コール。応答ボタンを押すか迷っているとスビンは横から画面をタップして電話を繋いだ。
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ruko(プロフ) - Miseryさん» また感想いただけてとても嬉しいです😭こんなにも番外編を見たいというお声をいただけると思っていなかったので、本当に急遽なのですが短編集にねじ込む形で番外編を公開しようと思います🙇🏻♀️ぜひ、お待ちください☺️ (5月8日 20時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ゆかりさん» 最初はなかなか評価が伸びなかった作品なのでこうして色んな方に言っていただき驚いています🥲番外編、期待していただきありがとうございます。短編集にねじ込む形で公開しようと思いますので、そちらを待っていただければと思います😭 (5月8日 20時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
Misery(プロフ) - 完結おめでとうございます！またはじめから読み直しています。素直になれない主人公に共感し、ドンヒョクの学生生活に思いを馳せて楽しませていただきました。いつか卒業や就職、人生の節目節目を共にする2人のお話を読めたら嬉しいです✨新作も楽しみにしております！ (5月8日 8時) (レス) id: 2a6e681517 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結お疲れ様でした。大好きな作品でした、描写が繊細で美しくて言葉選びがとっても好みで読み進めるのが勿体無くて何度も読み返していました。主人公とドンヒョクの空気感が大好きです💖いつか番外編が読めたらとっても嬉しいです、新作も楽しみにしています！ (5月7日 1時) (レス) id: f5ce26c2bf (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - りりあ^_☆さん» ありがとうございます🥲番外編の作成予定がないのですが、他の作品の更新が落ち着いて、他にもそういう声を頂けるのであれば検討しようかと思います🙇🏻♀️ただ二人は可愛い嫉妬を繰り返しながら愛らしいカップルになると思ってます！ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年3月31日 18時
