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マークくん、もといマークはどうしてもお礼がしたいと引き下がらず、学食を奢ると言い出した。半ば強引ではあったけれど学食なら負担は少ないだろうと思い、わかったと返事をすれば、何故かミナの分まで支払いを済ませていてミナはそんなマークをいたく気に入ってしまった。
確かにマークは今までにいなかったような後輩だと思う。一個下の後輩たちは年齢も近いからか生意気な部分も多いけれど、マークは私たちの話に真剣に耳を傾け、顔をくしゃくしゃにして笑い、コロコロと表情を変え若干オーバーにリアクションする。
なんかこう、母性本能をくすぐるというか。
ミナはそんなマークに凄く興味があるようで、マークについて根掘り葉掘り聞いていた。その度にマークは懇切丁寧に説明する。
マークはカナダで生まれしばらくそこで過ごした後、中学まではアメリカの学校に通っていたらしい。ご両親の仕事の関係で高校の時にこっちに来たのだとか。高校の名前を聞く限り、もっと上を目指せそうなのにと思ったけれど、うちの大学の名誉教授であるキム教授の著書を読んで感銘を受けたから志望したんだって。あまりにも目を輝かせて言うので、私とミナはなんだか自分が恥ずかしくなっていた。私がこの大学を選んだ理由といえば立地の良さとブランド力みたいなものだったから。
それから、話を聞けば聞くほどマークという人間はとても魅力的だと思った。たった一時間程度会話をしただけなのに、すっかり私たちはマークがお気に入りになっていたのだ。
「そういえばサークルは入るの？」
「まだ決めてなくて。ヌナたちはどこ入ってるんですか？」
「バスケだよ。今度新歓あるからおいでよ」
「はい、絶対に行きます」
そう言うとマークは顔をくしゃっとして笑った。目尻も鼻もくしゃっとさせる。思っていることが全部顔に出るから見ていて飽きない。礼儀正しくて、素直で謙虚。マークみたいな子がサークルに入ってくれたら嬉しいと思った。
「本当にご馳走になってごめんね、ありがとう」
「お礼なので気にしないでください。じゃあ、また」
「またね、マーク」
授業があるというマークは急いで駆けて行って、足取りは軽やかで、さすが一年生。後輩に奢ってもらうなんていささか癪ではあるけれど、あんなにお礼を言われるなら傘をあげた甲斐もあったかなと優しい気持ちになった。マークは人の心にスッと溶け込むような特別な子だった。
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nana(プロフ) - マーク派です🥲素敵な作品をありがとうございます！ (5月7日 2時) (
レス) @page37 id: 52c5480e12 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - c128さん» とにかく丁寧に気持ちを表現してみようと書き始めた長い作品なのでそこを汲み取っていただけてとっても嬉しいです😭少しスランプ気味で更新が遅いですが必ず書きたいお話がシリーズ４にあるので頑張りたいと思います🙇🏻♀️ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 想定ではシリーズ５まである予定です😂本当に、長い作品なのにここまでお付き合いいただけて嬉しいです🥲全ては色んなことに繋がっているので楽しみにお待ちいただければと思います！ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
c128(プロフ) - 本当に言葉選び一つ一つが素敵で、主人公がジェヒョンを大事に思う気持ちが丁寧に痛いほど伝わってきます。ジェヒョン、主人公はあなたのことが大好きだからマクのこと心配しなくてもいいよと私たちみんなで伝えてあげたい！更新楽しみにしてます！ (5月4日 15時) (レス) id: d7b773ac82 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - …シリーズ7くらいまでお願いしたいです……主人公ちゃんがこれからどうなるのか…まあすんなりはいかないよな…ああでも幸せに波風が立つのは困る…切なすぎるrukoさん！ (4月29日 8時) (レス) @page35 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年3月24日 18時
