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side MARK
それから。一週間ほどあった前期定期試験は終わり、長い長い夏休みがやってきた。約一ヶ月半ほどの夏休みはバイトと遊びの予定で埋め尽くされていて、スケジュールアプリに余白がない。試験が終わったというのに落ち着かずソワソワしているのは俺がある賭けをしているからだった。
その日は定期試験の慰労会ということでサークルの同期と集まっていた。もう名目はなんでも良くて何かに託けてはただ集まって飲みたがるのだけど、気が合う奴らばかりで一緒にいて楽しくこのサークルに入って良かったと心底思っている。これはヌナがくれた出会い。いつものように居酒屋チェーンをハシゴしたあと、最近サークル内で流行っているダーツバーに向かう。ここまでくると大抵は朝までコースでダーツやビリヤードでゲームをしてはただ飲んだくれるのが決まりだ。
「次、マークね」
ダーツクリケットで俺の番が回ってくる。クリケットの必勝法は20トリプルをいち早く奪うこと。じっくりと的を定め、片目を瞑り、ダーツの矢を投げる。
この矢がひとつ当たればヌナに連絡してみようだとか、二つ目が当たれば食事に誘ってみようだとか、このところの俺は行動一つにジンクスのようなものを課していて、雁字搦めになっていた。一つ、二つと矢が刺さり、集中して三つ目を投げる。三つ目の矢が刺さり20トリプルを達成した直後、ケーキを持ったイェリたちが歌いながら俺の周りを囲む。
「誕生日おめでとう、マーク」
皆は口々におめでとうといい、俺は生クリームの洗礼を浴びる。時計を見ると日付が変わっていて八月二日になっていた。そう、今日は俺の誕生日だ。なんとなく朝までの流れになったと思っていたけれど、元々サプライズを計画してくれていたようで皆んなからはケーキとプレゼントを貰った。
「ありがとう」
俺たちは皆んなで写真を撮り、ケーキを食べる。この時期はいつも夏休みだから高校の頃までずっと家族と過ごしていたけれど、こうして日付が変わる瞬間を親しい友人たちに祝ってもらえるのは本当に嬉しかった。ちょっとした夢が叶った瞬間だった。祝いだと騒ぎまくる同期たちはシャンパンを開け俺よりもはしゃいでいる。隙を見て携帯を見るとメッセージアプリに通知がいくつか来ていて、そこにはヌナの名前もあった。
〈マーク！誕生日おめでとう〉
俺は賭けをしていた。
もし、俺の誕生日にヌナから連絡が来たら、告白しようと。来なかったら諦めようと。
ヌナ、好きです。
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nana(プロフ) - マーク派です🥲素敵な作品をありがとうございます！ (5月7日 2時) (
レス) @page37 id: 52c5480e12 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - c128さん» とにかく丁寧に気持ちを表現してみようと書き始めた長い作品なのでそこを汲み取っていただけてとっても嬉しいです😭少しスランプ気味で更新が遅いですが必ず書きたいお話がシリーズ４にあるので頑張りたいと思います🙇🏻♀️ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 想定ではシリーズ５まである予定です😂本当に、長い作品なのにここまでお付き合いいただけて嬉しいです🥲全ては色んなことに繋がっているので楽しみにお待ちいただければと思います！ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
c128(プロフ) - 本当に言葉選び一つ一つが素敵で、主人公がジェヒョンを大事に思う気持ちが丁寧に痛いほど伝わってきます。ジェヒョン、主人公はあなたのことが大好きだからマクのこと心配しなくてもいいよと私たちみんなで伝えてあげたい！更新楽しみにしてます！ (5月4日 15時) (レス) id: d7b773ac82 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - …シリーズ7くらいまでお願いしたいです……主人公ちゃんがこれからどうなるのか…まあすんなりはいかないよな…ああでも幸せに波風が立つのは困る…切なすぎるrukoさん！ (4月29日 8時) (レス) @page35 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年3月24日 18時
