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side MARK
＿＿夏合宿が終わったら三年生は引退しちゃうよ。
ヌナが久しぶりにサークルに顔を出したあの日。あの後の飲み会でイェリがそう言った。サークルを引退したら理由もなく会う機会なんて無くなるし、それから先は大学へ来る機会もぐんと減る。それで良いのかと。俺に発破をかけていることはわかっていた。イェリが言う通り俺には時間がなかった。夏合宿までにはどうにかして距離を縮めなければならない。けれど、今のところヒョンに勝てる自信もヌナが俺を好きになる自信もまるでなかった。
「どこがわかんないの？」
「これです、ここ」
それでも、何とか足掻くしかなくて考えた末に出た答えが期末試験を教えてもらうことだった。二人きりの食事に誘うのは不自然だし、一番自然で絶対に断られない方法がこれだった。案の定ヌナは快諾し過去問を持って現れた。この教授はこの範囲からよく出してたよとか、最悪ここは捨ててもいいよとか。その慈愛に満ちた優しさに触れる度にどうしようもなく好きな気持ちが募った。正直英語でわからないことなんてないけれど一緒にいられるなら何でもよかった。
それからヌナは俺が何となく呟いた「お腹すいた」という声を拾い、「夜ご飯でも食べに行く？」と言った。願ってもないチャンスで俺は二つ返事で承諾する。大学近くの定食屋に入りヌナは慣れたようにキムチチゲを注文する。俺は焦って「同じものを」と言った。聞くとこのお店はヒョンとよく来るお店らしく、店員のおばさんに「今日は可愛らしい子を連れてるのね」と言われ「後輩なんです」とヌナは笑顔で答えた。俺は側から見ても可愛いらしい。少し落ち込んでいるとそれに気づいたヌナは笑いながら「それがマークの良いところだよ」と言った。
それから食事をしながら色んなことを話した。大学のこと、勉強のこと、バスケ、音楽や映画のこと。ヌナはどのジャンルに対してもよく精通していて実直に語ってくれる。俺の知らない世界がたくさんあって、知らないことを知っていく感覚や好きな人からそれを教えてもらうことはとても意味深いということをヌナが教えてくれた。
「またお勧め教えてください」
「そうだなぁ、」
だから俺は今日もヌナにお勧めの音楽と映画を聞く。そして俺は家に帰るとそれを見聞きしては律儀に感想を連絡するのだ。これは完全な下心。にも関わらずヌナは「勧めた音楽や映画をきちんと聴いて観るなんて本当にマークはいい子だね」と言うのだ。……ただ俺が連絡を取りたいだけの下心なのに。
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nana(プロフ) - マーク派です🥲素敵な作品をありがとうございます！ (5月7日 2時) (
レス) @page37 id: 52c5480e12 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - c128さん» とにかく丁寧に気持ちを表現してみようと書き始めた長い作品なのでそこを汲み取っていただけてとっても嬉しいです😭少しスランプ気味で更新が遅いですが必ず書きたいお話がシリーズ４にあるので頑張りたいと思います🙇🏻♀️ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 想定ではシリーズ５まである予定です😂本当に、長い作品なのにここまでお付き合いいただけて嬉しいです🥲全ては色んなことに繋がっているので楽しみにお待ちいただければと思います！ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
c128(プロフ) - 本当に言葉選び一つ一つが素敵で、主人公がジェヒョンを大事に思う気持ちが丁寧に痛いほど伝わってきます。ジェヒョン、主人公はあなたのことが大好きだからマクのこと心配しなくてもいいよと私たちみんなで伝えてあげたい！更新楽しみにしてます！ (5月4日 15時) (レス) id: d7b773ac82 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - …シリーズ7くらいまでお願いしたいです……主人公ちゃんがこれからどうなるのか…まあすんなりはいかないよな…ああでも幸せに波風が立つのは困る…切なすぎるrukoさん！ (4月29日 8時) (レス) @page35 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年3月24日 18時
