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ジェヒョンはソファに勢いよく腰を下ろすと締めていたネクタイを片手で緩める。………首の動かし方とか、ちょっと怠そうな表情とか、ネクタイの結び目を掴んだ時に浮き上がった手の甲の血管とか。それらを見るだけでドクッ、ドクッと心臓が鳴り出す。今にも飛び出てしまうのでないかというほど身体中にその鼓動は響き渡り、締まりのない口元にさせてしまう。この男は一体私のことをどうしたいのだろうか。どこまで魅力を隠し持っているのだろう。そしてたったそれだけの仕草でこんなにもときめいてしまうなんて私はどれだけ単純で、どれだけ惚れてしまっているのだろうか。
「ねぇ、もう一回」
私はその仕草がたまらずもう一度と強請る。
彼は訳がわからずといったように片眉をあげるので、私は隣に座って彼のネクタイをそっと締めた。
『………ああ、これ？』
ジェヒョンは呆れるように笑っては、私の願いに応えるようにもう一度片手で結び目を緩ませた。
『好きなの？』
「うん。もう一回やって欲しい」
『はは、なにそれ』
「お願い」
『社会人になったら毎日してあげるよ』
ジェヒョンはそう言って乱暴にネクタイを解くと私の唇を蝕んだ。どこで何のスイッチを入れてしまったのかはわからないけれどジェヒョンは左手を私の頭の後ろに回し、右手は腰を支え、まるで逃がさないとでもいうように啄むようなキスを落とす。私は息をするのにも精一杯で最後の方は全身の力が抜けてしまっていた。ついていくのに必死だったそれらが終わってしまうとそれはそれでもの寂しくなる。そんな様子が顔に出ていたのだろうか。彼は満足気にこう言うのだ。
『もっかいする？』
深みのある柔らかな声。主導権を握った甘い瞳。その両方の瞳にはだらしない顔をした私が映っていた。コクンと私が頷くと彼は顔を近づけてきたので、今度は私が主導権を握るように両手をジェヒョンの首に回し深く深く口付けをする。追いかけて、追いかけられて、ジェヒョンのことだけで頭がいっぱいになる。私は全身が蕩けてしまってそのままベッドに倒れ込むようにジェヒョンに体重を預けた。
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nana(プロフ) - マーク派です🥲素敵な作品をありがとうございます！ (5月7日 2時) (
レス) @page37 id: 52c5480e12 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - c128さん» とにかく丁寧に気持ちを表現してみようと書き始めた長い作品なのでそこを汲み取っていただけてとっても嬉しいです😭少しスランプ気味で更新が遅いですが必ず書きたいお話がシリーズ４にあるので頑張りたいと思います🙇🏻♀️ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 想定ではシリーズ５まである予定です😂本当に、長い作品なのにここまでお付き合いいただけて嬉しいです🥲全ては色んなことに繋がっているので楽しみにお待ちいただければと思います！ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
c128(プロフ) - 本当に言葉選び一つ一つが素敵で、主人公がジェヒョンを大事に思う気持ちが丁寧に痛いほど伝わってきます。ジェヒョン、主人公はあなたのことが大好きだからマクのこと心配しなくてもいいよと私たちみんなで伝えてあげたい！更新楽しみにしてます！ (5月4日 15時) (レス) id: d7b773ac82 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - …シリーズ7くらいまでお願いしたいです……主人公ちゃんがこれからどうなるのか…まあすんなりはいかないよな…ああでも幸せに波風が立つのは困る…切なすぎるrukoさん！ (4月29日 8時) (レス) @page35 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年3月24日 18時
