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少しだけ顔を出して時間になったら帰ろうと思っていたのに、イェリは私の手を引いてコートの中へ引き寄せると「ゲームしましょう」と言った。相変わらず元気だな、とかバスケできる格好じゃないのにと思いながらもここまで連れてこられてしまった手前拒否することもできなかった。
ブザーが鳴りハーフコートを駆け巡る。十分一本勝負の1on1はとにかくスピードが大事で、多少荒くてもすぐにシュートを狙うのが先決。けれど全くシュートは入らず、それどころかすでに息切れ状態。イェリはコツを掴んでいるのか軽々と点を決め、終了のブザーが鳴る頃には大差で負けていた。
「罰ゲームでアイス奢ってください」
イェリは満面の笑みでそう言う。大体サークルというものは何かにつけて罰ゲームが好きでよく先輩たちはアイスやらお菓子やらをたくさん私たちに奢っていたのを思い出した。私にもようやくそういった出番が回ってきたようで先輩らしいことができるのは少しだけ誇らしかった。
「マーク、オンニに着いてってあげて」
「ひとりで平気だよ？」
「意外と重いかもしれないじゃないですか。念のためです」
「……マークはいいの？」
「俺は全然」
「じゃ、ここで待ってます！」
イェリは私とマークの背中を押して体育館の出口に追いやる。振り返るとイェリは手を振っていて、私とマーク顔を見合わせた後、コンビニへ向かった。
「なんかごめんね？着いてきてもらって」
「いや………久しぶりにヌナと話せて嬉しいです」
そう言ってマークはあの愛らしい目を私に向ける。海外育ちだからだろうか、マークは意外と思ったことをそのまま口にすることが多かった。なんだかそれが新鮮でマークと話をしていると楽しい。
「やっぱり持つべきものはマークだね」
「ははっ、何ですかそれ」
「マークが可愛いってこと」
「………」
「髪色、似合ってるね」
「……前とどっちがいいです？」
「こっちの方が好きかな」
「………じゃあ、ずっとこれにします」
「あははっ、なにそれ。本当に可愛い」
コンビニに着いてアイスを選ぶ。人数分のアイスを選んでいると大変なので適当にみんなが食べられそうなやつをカゴに入れていく。
「マークは好きなアイス選んでいいよ」
「本当ですか？」
「うん。着いてきてくれたお礼。ついでにジュースも買ってあげる。みんなには内緒ね」
そう言うとマークは喜色満面な様子で笑みを浮かべていた。その姿があまりにも可愛くて、可愛いと言おうとしたらマークはそれを読み取ったのか「可愛いはやめてください」と怒った。
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nana(プロフ) - マーク派です🥲素敵な作品をありがとうございます！ (5月7日 2時) (
レス) @page37 id: 52c5480e12 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - c128さん» とにかく丁寧に気持ちを表現してみようと書き始めた長い作品なのでそこを汲み取っていただけてとっても嬉しいです😭少しスランプ気味で更新が遅いですが必ず書きたいお話がシリーズ４にあるので頑張りたいと思います🙇🏻♀️ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 想定ではシリーズ５まである予定です😂本当に、長い作品なのにここまでお付き合いいただけて嬉しいです🥲全ては色んなことに繋がっているので楽しみにお待ちいただければと思います！ (5月6日 21時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
c128(プロフ) - 本当に言葉選び一つ一つが素敵で、主人公がジェヒョンを大事に思う気持ちが丁寧に痛いほど伝わってきます。ジェヒョン、主人公はあなたのことが大好きだからマクのこと心配しなくてもいいよと私たちみんなで伝えてあげたい！更新楽しみにしてます！ (5月4日 15時) (レス) id: d7b773ac82 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - …シリーズ7くらいまでお願いしたいです……主人公ちゃんがこれからどうなるのか…まあすんなりはいかないよな…ああでも幸せに波風が立つのは困る…切なすぎるrukoさん！ (4月29日 8時) (レス) @page35 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年3月24日 18時
