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金曜日は授業終わりに一度自宅へ帰り、泊まりの準備をして家を出る。私とジェヒョンは隣駅に住んでいたけれど、ジェヒョンの最寄駅に降りるのは初めてだった。駅まで迎えに来てくれたジェヒョンに家までの道のりを案内してもらう。駅前のカフェ。よく利用するというクリーニング屋。コインランドリーに小さな公園。駅近くの高校。ちょっと大きめのスーパー。まっすぐ進んで、十字路を曲がって。そこからちょっと進んだところにあるマンションの501号室がジェヒョンの部屋だ。
『はい、これ使って』
玄関を開けるや否や、はいと渡されたのはグレーのスリッパ。
「ありがとう」
『さぁ、どうぞ』
「お邪魔します」
白とグレーを基調とした部屋。ベッドとソファー。壁かけられたテレビ。小さなダイニングとは別にセンターテーブルもある。観葉植物と間接照明が部屋に温もりを加えていて。綺麗だけど生活感もある。そんな部屋だった。トイレは廊下を出て玄関近くの扉のところ、お風呂はその手前のところだよ。それからこれがAのマグカップと歯ブラシ。あとこれはパジャマ。そういってジェヒョンは次々と説明を始めた。
「待って、これ、全部私のために用意してくれたの？」
『うん』
「……ありがとう」
思わず唇を噛み締める。私と一緒にいない時間も私のことを考えてくれていたようで、私と同じように楽しみにしてくれていたことが手に取るようにわかって、いたく嬉しかった。いま目の前にいるジェヒョンも、そう想ってくれた気持ちも取りこぼさないようにぜんぶ抱きしめたい。ぜんぶ抱きしめて私の身体の一部にしたい。それでいつか喧嘩した日にはそれをひとつずつ思い出してまた仲直りするんだ。
「抱きしめてもいい？」
そう返事を聞く前に、私は彼を抱きしめた。腕に力を込める。高が知れているはずなのにジェヒョンは苦しいよと笑って言った。
『そんなに嬉しかった？』
「うん。嬉しい。だってあれがいいかなとかこれがいいかなって考えてくれたんでしょ？それだけで嬉しい」
『かわいい』
「ジェヒョンもかわいい」
『かっこいい、でしょ』
少し声が低くなって、ちょっと怒ったように言うからそれがおかしくて笑ってしまう。
「かわいいは嫌なの？」
『いや』
「でも好きだからかわいいって思うんだよ」
『……』
「ジェヒョンだってそうでしょ？」
そう言ったらジェヒョンは耳を真っ赤にしてうんと頷いた。
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ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 前回もコメントいただいてましたよね、本当に嬉しいです😭お忙しい中ありがとうございます。意識している世界観を汲み取っていただき…♡嬉しいです✊🏻 (3月24日 18時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - おもちさん» そう言っていただけて嬉しいです😭😭お優しいお言葉ありがとうございます♡ (3月24日 18時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ナオさん» コメントいただきとっても嬉しいです。そう言っていただけると活力になります、ありがとうございます☺️ (3月24日 18時) (レス) @page50 id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - こんな風に優しくて平和で穏やかなストーリー、癒されまくっています 普通の恋人同士なのにすごく素敵 続きも楽しみにしています (3月16日 2時) (レス) @page50 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1から更新されるたびにわくわく、どきどき、きゅんきゅんした気持ちで読ませてもらってます♡これからも楽しみにしてます！ (3月16日 0時) (レス) @page50 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年1月29日 22時
