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波の音が豪快に聞こえる。夕日が刻々と沈み、海を鮮やかに照らしていた。あまりにも美しい光景で私は思わず泣きそうになった。
「こんなに素敵な場所どこで見つけたの？」
『雑誌で。Aが好きそうだなと思って』
彼を好きだという気持ちが五臓六腑に染み渡る。私は、横に座る彼にキスしたかった。キスをして、愛の言葉をたくさん囁いて、ふたりだけの世界へ連れ去ってしまいたいほどだった。
「ジェヒョン……、ありがとう」
そう言って私はクロスの下で彼の手を握った。
ワインで乾杯をした後、前菜、パン、スープ、魚料理に肉料理と順番に運ばれる。見た目の美しさもさながら、素材の味を存分に活かした料理は本当に美味しかった。デザートのタイミングで、バースデープレートと花束が運ばれる。ジェヒョンは動画を回していて、楽しそうにこちらを見ている。花束を抱えた胸の前で手を組み、願いごとをした。そしてそっと息を吹きかけロウソクの火を消す。
『誕生日おめでとう』
どこへ隠していたのやら、ジェヒョンはプレゼントと手紙を私に渡した。不器用な文字で"Aへ"と書かれた手紙の封を開ける。
そこには私からもらって嬉しかったので手紙を書いたこと、初めて書くから恥ずかしいこと、書き始めると筆が止まらないこと、誕生日を過ごせることが嬉しいこと、毎日好きな気持ちが増すということ、私への想いが便箋にびっしりと綴られていた。その最後は"毎年、一緒にお祝いしよう"と締められていて、私は止めどなく涙が溢れた。
『泣かないで』
ジェヒョンは私の涙を優しく丁寧に拭う。
「ジェヒョンだって私から手紙もらって泣いてたくせに」
『あははっ、そうだった』
彼は思い出したように笑って、それからまたあの優しい目で私を見た。
『好きな人の誕生日をお祝いするってさ、こんなに幸せなことはないよね』
「わかる。記念日よりも特別」
『生まれてきてくれてありがとう』
ジェヒョンがくれる愛情は両親がくれる愛情に似ていて、深く、清く、柔らかで、私を守ってくれる。
「こちらこそありがとう」
『毎年お互いの誕生日はさ、一緒に祝おう』
「うん、約束」
窓の外はたくさんの星が煌めいていた。その星すべてを集めても、彼の放った言葉の輝きには敵わない。数十年に一度の大流星群が今流れようとも、突然変異でオーロラが出現しても、その輝きには。
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ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 前回もコメントいただいてましたよね、本当に嬉しいです😭お忙しい中ありがとうございます。意識している世界観を汲み取っていただき…♡嬉しいです✊🏻 (3月24日 18時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - おもちさん» そう言っていただけて嬉しいです😭😭お優しいお言葉ありがとうございます♡ (3月24日 18時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ナオさん» コメントいただきとっても嬉しいです。そう言っていただけると活力になります、ありがとうございます☺️ (3月24日 18時) (レス) @page50 id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - こんな風に優しくて平和で穏やかなストーリー、癒されまくっています 普通の恋人同士なのにすごく素敵 続きも楽しみにしています (3月16日 2時) (レス) @page50 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1から更新されるたびにわくわく、どきどき、きゅんきゅんした気持ちで読ませてもらってます♡これからも楽しみにしてます！ (3月16日 0時) (レス) @page50 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年1月29日 22時
