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線香花火はどれだけ長くその輝きを保っていられるかが重要だと両親が教えてくれたのを思い出した。だからなるべく風の影響を受けないようにして、ただじっと耐えて儚い美しさを感じるのが醍醐味だと。私たちは海辺を少し歩き大きな大木の近くに腰を下ろした。花火用の小さなキャンドルに火をつけ、線香花火を袋から取り出すと同時に火をつけた。
「私、昨日オッパに告白しました」
線香花火の先につけた火が火の玉となりジリジリと手元の方へ上がってくる。パチッと気泡が弾けるような音がしたらそれは始まりの合図で小さく火花を散らし始めた。
「でも振られました」
少し遠くからみんなのはしゃぐ声が聞こえる。波の音はそれより強く聞こえて、スヨンちゃんの声は一番近くに聞こえるはずなのに波の音にかき消されてしまいそうなほどだった。
「すごく好きだったんです。でも、オンニに嫌な思いさせましたよね。ごめんなさい」
線香花火はより激しく火花を散らす。
「これからはただの後輩になるので安心してください」
火花がひとつ、またひとつと落ちていき、彼女の線香花火は暗闇の中に消えた。私の線香花火はまだ火花を散らしたままで、ただ動かずにじっと耐えていた。
耐えて、耐えて、それから火花が散り終わり、火の玉がスローモーションに落ちて砂に飲まれていった。
「……私ね、スヨンちゃんのこと嫌だなって思ったことは一度もないの」
「えっ？」
「ジェヒョンに真っ直ぐでいてくれてありがとう」
この世に、純粋に人を愛せる人はどれほどいるのだろうか。混じり気のない目を向けることができる人、正直でいられる人はどれくらいいるのだろうか。
姑息な手を使えばいくらだって私たちの仲を引き裂くことはできただろうし、あの手この手で惑わすこともできたかもしれない。それでも彼女はたったの一度もそんなことはしなかった。ただ、まっすぐにジェヒョンが好きだった。
そんな彼女を嫌になるはずがないのだ。
「さっ、戻ろっか」
月明かりが海を照らす。
砂浜がスニーカーを飲み込む感覚を全身で味わい、皆の場所へ戻る。その時に吹いた生温い風はとても心地よかった。
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ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 前回もコメントいただいてましたよね、本当に嬉しいです😭お忙しい中ありがとうございます。意識している世界観を汲み取っていただき…♡嬉しいです✊🏻 (3月24日 18時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - おもちさん» そう言っていただけて嬉しいです😭😭お優しいお言葉ありがとうございます♡ (3月24日 18時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ナオさん» コメントいただきとっても嬉しいです。そう言っていただけると活力になります、ありがとうございます☺️ (3月24日 18時) (レス) @page50 id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - こんな風に優しくて平和で穏やかなストーリー、癒されまくっています 普通の恋人同士なのにすごく素敵 続きも楽しみにしています (3月16日 2時) (レス) @page50 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1から更新されるたびにわくわく、どきどき、きゅんきゅんした気持ちで読ませてもらってます♡これからも楽しみにしてます！ (3月16日 0時) (レス) @page50 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年1月29日 22時
