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side SOOYOUNG
「オッパ」
今日は自分でも珍しいくらいに酔っていて、酔いを覚まそうと外に涼みに行くとそこには私の好きな人がいた。こんな時でもすごくカッコいい。雲の隙間から月が顔を出していて、遠くから少しだけ波の音が聞こえる。潮風がオッパの髪を揺らして、ゆっくりと私を目で捉えた。
私はそこから動けなくなってしまって、何も考えられなかった。ただそこには私とジェヒョンオッパしかいなくて。ああ、やっぱり好きだなぁって心底思って。ひどく酔っていたから。だから。
「オッパが好きです」
告白はもっと距離を詰めてから。オッパがちょっとでも私に傾いてくれた時、と考えていたはずなのに。……バカだなぁ。オッパはちょっと驚いている様子で、それから少しずつこちらに向かって歩いてきた。
『ありがとう』
こんなに柔らかな声は初めて聞いて、オッパは優しい目を向けてくれた気がした。声を聞いたら収縮していた全身の筋肉が弛緩していく感覚があって、私はひどく緊張していたことがわかった。
『でもごめんね、気持ちに応えることはできない』
答えはわかっていた。わかっていても、それでも好きだった。
「……私、オンニよりオッパが好きな自信があります。だから、
『俺がね、……俺が惚れてるの、Aに。すごく好きで、ずっと大切にしたいんだ』
難攻不落と言われた城を攻めたとて、隙ひとつなかった。退路すら確保していなかった私は、白旗を上げるしかなかった。
『君のいい先輩になれるように頑張るよ』
オッパはまた優しく微笑む。
「なんでっ、……もっと突き放してください」
『Aがね、誠実に向き合えって。笑っちゃうよね、彼女なのにそんなこと言うの。でもねそういうところが好きだなって思う』
結局のところ、私はたったの一つもオンニに勝てるところなんてなかった。私がオンニの立場でオッパに近づく後輩がいたら絶対牽制するもん。絶対にいい気持ちなんてしないし、オッパにだって近づかないでと言ってしまいそうだ。
……ああ、なんだ。そもそもオンニは勝ち負けの次元にすらいないのか。ふたりともただお互いを信じ合っている。その揺るがない信頼関係はやっぱり眩しかった。
「オッパ」
『ん？』
「本当に好きでした。……でも、諦めます。おやすみなさい」
『…おやすみ』
オッパに背を向けてから、止めどなく涙が溢れてきて、オッパに聞こえないように声を押し殺して泣いた。…私はオッパより好きになれる人に出会えるのだろうか。
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ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 前回もコメントいただいてましたよね、本当に嬉しいです😭お忙しい中ありがとうございます。意識している世界観を汲み取っていただき…♡嬉しいです✊🏻 (3月24日 18時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - おもちさん» そう言っていただけて嬉しいです😭😭お優しいお言葉ありがとうございます♡ (3月24日 18時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ナオさん» コメントいただきとっても嬉しいです。そう言っていただけると活力になります、ありがとうございます☺️ (3月24日 18時) (レス) @page50 id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - こんな風に優しくて平和で穏やかなストーリー、癒されまくっています 普通の恋人同士なのにすごく素敵 続きも楽しみにしています (3月16日 2時) (レス) @page50 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1から更新されるたびにわくわく、どきどき、きゅんきゅんした気持ちで読ませてもらってます♡これからも楽しみにしてます！ (3月16日 0時) (レス) @page50 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年1月29日 22時
