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それから私たちは全力で冬を駆け抜けた。付き合ってから初めて参加した冬合宿。合宿なんてものは名目で、昼はテキトーにバスケをしては夕方からはただお酒を飲んだ。一年のサークル内カップルは変わる替わる標的にされ、囲み取材かのように根掘り葉掘り質問されていた。かくいう私たちもその標的となり、先輩たちの洗礼を浴びたけどそれもなんだか楽しかった。スーチョンくんは飲むと意外と惚気る方で次第に的がそちらになったのが唯一の救いだった。顔を真っ赤にしたミナ、可愛かったな。
四人で行ったスノボ。私はびっくりするくらい滑れなくて一生木の葉滑りをしていた。というか木の葉滑りとすら言えないほどの滑稽なもので、それのせいで三人は腹筋が痛いというほど笑っていた。私はひどく懸命に滑ろうと思っていたけれど、破壊的なセンスのなさで午後は三人の滑りをただ眺めていただけのように思う。
ジェヒョンの誕生日は初めて旅行へ行った。お揃いの色違いのマフラーをして雪の街を散策して、いい宿に泊まって。手作りのチョコレートとブレスレットと手紙を渡した。手紙にはこれまでの想いやこれからのことを書き綴った。ジェヒョンは手紙を見ながら目にいっぱいの涙を溜めていて、一生の宝物だといった。その時撮っていた動画は何度観てもこちらまで泣けてしまうほどだった。
春休みの間は移動が面倒だとかなんだとかそんな呆れた理由で同棲生活を送っていた。これまでだってほぼそんなような生活を送っていたけれど、バイトやサークル、遊びに勤しみ自宅に帰れば愛おしい人がいるというこの生活は何よりも変え難い不変の幸せだった。
日用品や食材を買いに週に一、二回スーパーへ行きより吟味した食材を買い物かごへ入れること。寝癖のついた髪に触れること。バイト着にアイロンを通す朝。どちらか先に帰宅すれば夕食を準備し、時に一緒に湯船につかり歌を歌っては、どちらが先に身体を洗うかでやいのやいの言うのはとても尊いことだった。
なんとなく、社会へ出てもこうなのだろうという漠然とした未来を描き始めたのもこの頃だったと思う。それほどこの生活は美しく、あたたく、春の陽だまりのようなやさしさを持っていて、ジェヒョンのこの頃の口癖は"早く結婚したい"で、決まって私も同じ言葉を繰り返していた。
それほどまでに普遍的な幸せは私たちふたりの結びつきをさらに強固なものにさせた。
そして、春休みが明け、私たちは大学二年になった。
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ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 前回もコメントいただいてましたよね、本当に嬉しいです😭お忙しい中ありがとうございます。意識している世界観を汲み取っていただき…♡嬉しいです✊🏻 (3月24日 18時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - おもちさん» そう言っていただけて嬉しいです😭😭お優しいお言葉ありがとうございます♡ (3月24日 18時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ナオさん» コメントいただきとっても嬉しいです。そう言っていただけると活力になります、ありがとうございます☺️ (3月24日 18時) (レス) @page50 id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - こんな風に優しくて平和で穏やかなストーリー、癒されまくっています 普通の恋人同士なのにすごく素敵 続きも楽しみにしています (3月16日 2時) (レス) @page50 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1から更新されるたびにわくわく、どきどき、きゅんきゅんした気持ちで読ませてもらってます♡これからも楽しみにしてます！ (3月16日 0時) (レス) @page50 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年1月29日 22時
