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海を出て、電車に揺られ、以前は肩を並べて歩いた家までの道を手を繋いで歩く。左手で抱き抱えた花束からほんのり甘い花の匂いが香って、右手はジェヒョンの左手に優しく包み込まれていた。風を切るように繋いだ手を前後に揺らす。力なく揺らして、時折繋がったジェヒョンの手の甲を指の腹で撫でて。間一人分あった距離がだんだん縮まって、肩がぶつかって。それからジェヒョンに身体を預けた。そんな私の頭を繋いでいない反対の手で優しく撫でるジェヒョン。
身を寄せ合って歩く帰り道。臓が締め付けられるほどに心が満たされていく感覚。シアワセで、しあわせで、こわい。ずっとこの夜を閉じ込めておきたい。
『帰したくないな』
恐ろしいほどに美しい顔をした人。この世の全ての宝石を集めたって、私の目の前にいる人の輝きには敵わない。私の名前を特別にしてくれる声。いつも私を導く骨ばった大きな手。笑った時にできる目尻の皺、笑窪。
私を好きだと教えてくれる眼差し。
「家、あがってく？」
帰るのがこんなにも惜しいと思う夜。腕を引かれジェヒョンの腕の中に飛び込む。ギュッと力が入るのがわかったから、私もギュッと返す。
『大事にしたいから。今日は帰るよ』
ああ、好きだなぁと思う。
言葉で形容しきれないほどに心が惹かれてしまうこと、どうやってジェヒョンに伝えればいいんだろう。
私の気持ち、全部伝わっているのかな。
「好き」
『俺も好き』
「うん、わたしも」
『……俺も』
「うん」
『これじゃキリないね』
「ふふっ、だね」
笑い合って、じっと目を見つめる。もう一度近付いて、ギュッと抱きついて、顔を鎖骨のあたりに埋める。
『じゃあ、またね』
「またね」
それから名残り惜しむように身体を離して手を振り合った。ジェヒョンは何度も振り返ってはこちらに手を振る。それに応えるように私も手を振り返して、その背中が見えなくなるまで私は見つめていた。
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ruko(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» 前回もコメントいただいてましたよね、本当に嬉しいです😭お忙しい中ありがとうございます。意識している世界観を汲み取っていただき…♡嬉しいです✊🏻 (3月24日 18時) (
レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - おもちさん» そう言っていただけて嬉しいです😭😭お優しいお言葉ありがとうございます♡ (3月24日 18時) (レス) id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
ruko(プロフ) - ナオさん» コメントいただきとっても嬉しいです。そう言っていただけると活力になります、ありがとうございます☺️ (3月24日 18時) (レス) @page50 id: 683ee61126 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - こんな風に優しくて平和で穏やかなストーリー、癒されまくっています 普通の恋人同士なのにすごく素敵 続きも楽しみにしています (3月16日 2時) (レス) @page50 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1から更新されるたびにわくわく、どきどき、きゅんきゅんした気持ちで読ませてもらってます♡これからも楽しみにしてます！ (3月16日 0時) (レス) @page50 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruko | 作成日時：2024年1月29日 22時
