養って！乙骨くん！【呪術廻戦】

２８話.ちょっと不穏 ページ30

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高専での生活も慣れてきた頃、Aはある悪夢にうなされるようになった。












殺したはずの両親が生きていた頃のように蘇り容赦なく罵倒してくる夢










環境に恵まれ幸せに暮らせていると思った矢先にこのザマだ。




自分だけ幸せになるのが両親は許せないのだろうか。














_________「お前が産まれたせいで！！！」









_________「この疫病神！！気持ち悪いったらありゃしない！！」












_________「あんたのせいであの子は死んだのよ！！」












_________「幸せになっていいはずがないんだよ！！お前は一生苦しむべき人間なんだ！！」













_________「どうしてお前だけ！！！！！」












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『ッ、うるさい！！！！！』










　



『…はぁ』













悪夢を掻き消すように叫んだ









気持ち悪い汗が身体を覆って寒気がする





悲しみよりも焦りと怒りが露わになった。






私の家族はばあちゃんだけ。今更夢に出るな、吐き気がする







Aは爪が食い込む程強く腕を掴み痛みで気を紛らわせようとした。











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「おい、夜中になに叫んでんだよ」














『真希ちゃん…』











扉の向こうで真希が不機嫌そうな声を出して立っている






真希の声を聞いたら張り詰めた緊張が解けた気がする












『ごめんね真希ちゃん。起こしちゃった』









「おう…」











「ひでぇ顔だな。嫌な夢でもみたか？」








『うん…』















『真希ちゃん、お願い、今だけ隣にいて』












「いいぜ。その代わり今度手合わせしろよ」










『…ありがとう』








「ああ」











二人とも目が冴えて寝れそうになかったので電気をつけてコーヒーを飲みながら毛布で体を温めた。








Aの目の下にできた濃いクマを横目に真希はコーヒーを一口飲み込んだ










「コーヒー飲めんのな」









『馬鹿にしてる？』









「甘いもんしか摂取しなさそうな顔してる」









『どんな顔よ。別に、甘いものが特別好きな訳じゃないし』








「意外だな」











普段の日常の中でしていそうな会話







真希の気遣いなのかは分からないが今はそれがありがたかった。





あれだけ自分のことを馬鹿にしていたくせに、こういう時は優しいんだ






ズルい人。

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