16 -zm side- ページ16
それを聞いた瞬間の、あのショッピくんの驚いた顔。
任務のことを忘れていた焦燥からか、幼なじみがエルフなわけがないという驚愕からか。
「いやお前任務忘れてなにしてんねん。あの子例のエルフやろ？グルッペンに言われてるやろ、生きたままでこっちに連れてかなアカン」
苛立ちすら交えて要件をぶつけると、
「っそれはすみません、少し取り乱しました。……でも俺の幼馴染はエルフなんかじゃないっすよ」
……こいつ俺がいない間に誑されやがったな？
「アホかショッピくんお前、エルフが得意とするのは幻覚や洗脳魔法の類や。既にやられてる可能性は高い」
ショッピくんにこんなこと言うのは酷やけど、と1人ごちる。
案の定愕然とした顔のショッピくんが──と、後ろで少女が起き上がる気配。
目が合うと、照れたように視線を外す少女。
ちっこいなあ、と失礼なことを思いつつ、一応礼儀として名乗りを上げ──
「君、エルフやんな？」
エルフだということを隠しているであろう少女には、少しばかり酷な質問。
でもまあ、ここで素直に頷いてもらわんと、“乱暴”せなあかんくなるからなぁ……嫌やねんな。
少女はただ怯えて逃げようとしているだけのようで、反抗の意思は見られない。
……声を低くし、逃げ出そうとしても無駄やで、と告げる。
すると少女は諦めたのか、こくん、と首を前に倒した。
肯定の仕草。
つまりは、わたしはエルフだ……と。
背後のショッピくんが驚く気配がする。
はは、こいつ幼なじみなのに知らへんかってんな。
……まあエルフやって認めてくれたことやし、グルッペンのとこまで連れてこか。
「ほな行こか、ショッピくん……と、名前なんやっけ？」
敵意を消して微笑みかける。
安心したのか、名前はAだ──と教えてくれた。
ええ名前やんか、と褒めると少女は少し笑う。
……一瞬、かわええやん───と思ってしまった自分を忘れたくて、Aの手を掴み、トップスピードで走り出す。
……急やのにこの速度に着いてくるあたり、やっぱエルフなんやなあ。
エルフって全体的にスペック高いもんな。
どうやら嫉妬しているらしいショッピくんを心の中で笑い、Aとつないだ手の温かさを感じつつ、森を駆け抜ける。
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まこち(プロフ) - 初コメ失礼します､続編!!楽しみにしてます!!!! (2022年1月17日 17時) (
レス) @page50 id: 2e33e63444 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - シュネーさん» ひえぇありがとうございます……！！！頑張ります…( ´ω` )/ (2021年9月29日 23時) (レス) id: 822e5c31a6 (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - ユノさんおめでとうございます！(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑がんばれー (2021年9月29日 22時) (レス) @page35 id: ee9d47dabc (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - 面白かったです！ありがとうございます！(？)ゆっくりでもいいので、楽しみに待ってます！ (2021年9月28日 23時) (レス) @page27 id: ee9d47dabc (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 好き……え、設定も文才も言葉選びも何もかもが好き…頑張ってください、応援してます…… (2021年9月28日 7時) (レス) id: 3705531e30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユノ | 作成日時：2021年9月24日 0時
