逃げたい。16 ページ18
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────あぁ、ほら。ほらね。やっぱり逃げない方が良かったよ。
遠くから相澤ちゃんを見てそう思う。ベキッ、ゴキッ、という嫌な音が妙に耳に残って、離れない。まるで僕を忘れるなと訴えかけるように。
『────相澤ちゃん、』
ダメだ。目の前から人が消えていくのは、見るに堪えない。…いや、そうじゃないな。
『(…私のメリットが、減る。)』
立派な担任が減ってしまえば、その分私の伸び代も減る。
なんせ彼は、ヒーローとしての意志を持ちながら教師としての意思も持つ、優秀な雄英ヒーローなのだから。
────なら、私は。
気づけば走り出していた。入口の道を繋ぐ階段なんか見えなかった。皆んなの止める声も聞こえない。聞こえないフリをした。
『────っ、相澤ちゃんっ！！』
まだ霧の中に覆われた腕をカバーしながら、必死に叫んだ。
それと同時に、入口の方でもお茶子ちゃんが叫ぶ声がした。
その時、僅かながらに腕を覆っていた霧が揺れる。
もしかして、と思いっきり腕を抜くと、USJに入る前の腕が、そこにはあった。
『(────これで、やっと戦える。)』
化け物に向けて手をかざす。
グッと指先に力を込めれば、化け物の腕がまるで包丁で切られた野菜のように、スパンッと落ちた。
────これが、私の個性で一番強い使い方。
人間は酸素を取り込み生きている。そして私は空気を固める“個性”を持っている。
もし、人間の中の空気を固めるとしたら。そこに固まった空気は収まらない。だから内側から破裂する。
ヴィランらしい使い方だろう。だが化け物相手に勝つには、コレぐらいしか方法がなかった。
「…は？なんで、腕が切れッ…、…あぁ、そっか。…Aが、居たんだった」
余計なことをしてくれたな、とでも言うようにこちらを睨むヴィランの彼。
彼は深くため息をついたあと、「…まぁ、いっか。」と声をあげる。
「────脳無は、それぐらいでやられるボンクラじゃないし」
化け物の腕が嫌な音を立てて治っていく。その光景を見て、あまりもの急展開に口角をあげてしまう。
『(────再生持ち！しかも、かなり高度の！！)』
でもそれぐらいでオールマイトがやられるとは思っていないハズ。ならば、他にもお自慢の個性があるのだろう。
『────まぁ、何にせよ、ヴィランは負けるけどね』
正義は最後に必ず勝つ。そう、世界はできているのだから。
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なつみ - 早く続きがみたい!!!!!早く戻って来てください!!!!! (2022年5月12日 21時) (
レス) @page43 id: 8f19dbd458 (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - ブロッコリーさん» それなw夢主……ご愁傷さま(￣∇￣) (2021年7月24日 16時) (レス) id: 467929d968 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッコリー - 下に同じく…まぁ次回くるならくるで夢主大変そ…ご愁傷さま(*^^*) (2021年7月18日 1時) (レス) id: eac5d2add4 (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - 面白いのに更新停止……戻ってくるといいなぁ…… (2021年6月13日 23時) (レス) id: 467929d968 (このIDを非表示/違反報告)
だしこんぶ - 姫はじめって何話ですかァァァァ (2021年4月1日 19時) (レス) id: f0f86e4d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イケメンになりたい。
| 作成日時：2019年12月1日 16時
