逃げたい。13 ページ15
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『えっ今なんて言った？？？？』
あまりにも衝撃的な発言に、思わず聞き返す。彼はいつの間にか顔に手を付けていた。
「だから…、連れて帰るって言ったんだよ」
────正直、好みの顔じゃなかったら殴っていた。
彼はヴィラン、私はヒーロー志望。対の存在が結ばれるENDなんてあってたまるか。
いや、そもそも恋にオチてはないけど。顔を見るとドキドキするだけで(恋です)
『…いやいやいや、はぁ〜？？つ、つつつつ連れて帰るなんて、そんな、そんなドラマみたいな…！！』
「いいじゃんか。ドラマみたいな恋。俺はAとしてみたいけど」
『ｯｯｯｯﾋｷﾞｭｳｯ……そんなのに引っかかるわけｯｯ……ｳｸﾞｩｯｯ顔が好きｯｯ…』
「(面白ぇ……)」
顔と声が好みなばかりに、中々逃げ出すのに苦戦する。
少し動くだけで“脳無”とやらは私の後ろに瞬間移動するし、実質逃げられないようなモンだった。
私はこのままヴィランの甘々な罠にハマって死ぬんだ…そんで最終的には化け物に四肢を引きちぎられて……(妄想)
心は後悔や化け物への恐怖で荒れていた。嵐の海のようにザバンザバンと揺れては、また脳を揺らす。
『っ…あ、相澤ちゃん…』
おそらく聞こえていないだろう。
だがすぐそこで戦うヒーロー───先生の名を呼んで、その僅かな希望に縋るしか、恐怖をまぎらわせる方法がなかった。
「…相澤？…あぁ、あそこのプロヒーローか。イレイザーヘッド…だっけ。…Aは、彼奴に助けてもらいたいの？」
手から覗く深紅の瞳。その瞳には確かな憎悪が募っていて、悪寒がした。
『…助けてもらいたいっていうか、逃げ出したい、ですかね』
彼に怯えていることをこれ以上表に出してはいけない。
そう処理した私は、背中につたう冷や汗を感じながら不敵に笑う。
「そっか、」なんて言う彼の瞳には、先程の憎悪は綺麗サッパリ無くなっていた。
『(…何だったんだ)』
相澤ちゃんに嫉妬したならばまぁ納得できるが、それぐらいで嫉妬するなら自分が1番でありたいと思うはずだろう。
私が彼の元から逃げ出してもいいというのか。連れ帰ると言っていたくせに。
『(…わっ…かんねぇ〜…)』
脳内がグルグルに絡まって分からなくなる。何か複雑だな君。
「…でも、俺から逃げるのは気に食わないなぁ。完全に逃げられたらもう追わねぇけど、まだ逃げられてないわけだし。…ねぇ、A」
こっちにおいで。
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なつみ - 早く続きがみたい!!!!!早く戻って来てください!!!!! (2022年5月12日 21時) (
レス) @page43 id: 8f19dbd458 (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - ブロッコリーさん» それなw夢主……ご愁傷さま(￣∇￣) (2021年7月24日 16時) (レス) id: 467929d968 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッコリー - 下に同じく…まぁ次回くるならくるで夢主大変そ…ご愁傷さま(*^^*) (2021年7月18日 1時) (レス) id: eac5d2add4 (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - 面白いのに更新停止……戻ってくるといいなぁ…… (2021年6月13日 23時) (レス) id: 467929d968 (このIDを非表示/違反報告)
だしこんぶ - 姫はじめって何話ですかァァァァ (2021年4月1日 19時) (レス) id: f0f86e4d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イケメンになりたい。
| 作成日時：2019年12月1日 16時
