55話 ぬるま湯の中で溺れてる�� ページ8
運転席と助手席にそれぞれ乗り込むと、エンジェルが口を開いた。
「あんたから酒の匂いがする。飲酒運転なんてらしくないね」
「まさか。投げられた酒の匂いだよ。飲んでない」
「……ごめん」
「どうしてエンジェルが謝るの？エンジェルがかかわってなくたってよく私の手足は千切れるよ」
「それ、それは」
エンジェルはAの言葉に言い淀む。
確かにエンジェルが関わっていなくても、彼女はよくヴァレンティノの癇癪によって手足を千切られるし脳天に弾丸が撃ち込まれる。しかしAはそれを嗜め、彼が癇癪を起こしたことを怒りこそすれ、自分を殺したことを責めるようなことは一度もしたことがなかった。
「エンジェルが背負うような真似しなくていいんだよ。私は私で気ままに生きてるからさ」
「そっか。ならいいんだけどさ！……あのさ、A、これはおれの独り言だから聞き流してくれて結構なんだけど……」
エンジェルが膝を折り、体を縮こませて言葉を吐く。
「アンタがいるとヴァルが大人しいっていうか、大抵機嫌が良くなるから好きなんだ。いつもいてくれりゃいいのにって思うんだ」
独り言だと言ったのに、エンジェルはAの方を見る。
「でもアンタがああいう欲にまみれたとこにずっといるっていうのは、なんか、上手く言語化出来ないけど嫌なんだ。別に清純でいてくれっていうんじゃない。……なんて、言えばいいのかな……。あークソ、わけわかんなくなってきやがった。だからその、つまりおれは……」
「いいよ別に無理に言語化しなくったって。現状一番手っ取り早く金が手に入るのはヴァルやヴォックス、ヴェルヴェットのところでテキトーに働くことなんだよエンジェル」
「だとしても、」
「ん？」
56話 ぬるま湯の中で溺れてる�□�←54話 流れるのは酒か血液か、それとも
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！ハズビンホテル感の多い作品ってあまり見かけないのでめちゃくちゃ嬉しいです！最高です更新楽しみにしてます！ (4月2日 8時) (
レス) @page17 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
カガリビ(プロフ) - ちゅけさん» コメントありがとうございます！月末は更新が滞ってしまうので気長に待ってくれると嬉しいです🫶 (2月26日 17時) (レス) id: 0b61587847 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅけ - わわ...続きが気になります..!ハズビンホテルでクオリティの高い作品は数少ないと思うのですが、この小説はめちゃめちゃ読みやすくて面白いのでハマってしまいました☺️更新待ってます！ (2月26日 1時) (レス) @page15 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
カガリビ(プロフ) - いちご丸さん» またまたコメントありがとうございます。続編からはヘルヴァボスもどんどん出していくつもりです😎どうぞお楽しみにしていてください🫣 (2月21日 17時) (レス) id: 0b61587847 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 殺し屋やってるインプって・・！ブリッツじゃないですかーーー！！！まさかスピンオフの方まで見ていらっしゃったとは・・！こういう小ネタ？テンション上がります笑 (2月21日 17時) (レス) @page6 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カガリビ | 作成日時：2024年2月20日 23時
