53話 ノンデリ ページ6
「なあA」
「んー？」
「お前って毎度ヤ るの拒むけどそもそもヤったことあんの？」
「は？」
例の上級悪魔の会議の数日後、V軍団の柱であるいつものメンツ(ヴォックス、ヴァレンティノ、ヴェルヴェット)にコーヒーや紅茶、ココアなどいつもの様にそれぞれの好みに合わせたものをAがそれぞれに渡していると、ヴァレンティノにいきなりそんなことを言われた。
彼が発言した瞬間は空気が凍り付いたが、当のヴァレンティノはどこ吹く風である。そもそも彼にデリカシーがあることのほうが珍しい。いや、デリカシーは恐らく死んだ際に忘れてきたのだ。
「……いや、ある、けど……」
「えっ」
戸惑いながらもAが答えると、ヴォックスが驚きの声を上げた。
「なんでショック受けた顔してんの……？処女のが良かった？」
「そういうことじゃない。驚いただけだ」
「失礼だな……」
ヴォックスの態度にAが眉を顰めると、ヴァレンティノはケラケラと笑い出した。
そして、そのままの勢いで彼女へと詰め寄る。
「最後にヤったのっていつ？誰とだ？」
「何でそんな根掘り葉掘り聞くわけ……。それ聞いて何になるの……」
「オレの暇つぶしになる」
そう言われるのは知っていたが、本当に言うとは。
「(殺し屋やってるインプが最後って言ったら怒られるかな)」
チラ、とヴァレンティノの方を見る。頬杖をついて、Aの返事を待つ彼は普段と何も変わらない。
何も変わらないということは「つまらないこと言ったら殺すぞ」ということである。
「(どっちにしろ死ぬのなら、せめて正直に言った方が身のためか)」
そう結論付けたAは、正直に話した。ヴァレンティノはふーん、とだけ返す。聞くだけ聞いておいて自由すぎる。
ヴァレンティノはAの答えに満足したのか、彼女の顎をこしょこしょと撫でて別の話題へと移った。
54話 流れるのは酒か血液か、それとも→←52話 心配は生きているものにしかできない
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！ハズビンホテル感の多い作品ってあまり見かけないのでめちゃくちゃ嬉しいです！最高です更新楽しみにしてます！ (4月2日 8時) (
レス) @page17 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
カガリビ(プロフ) - ちゅけさん» コメントありがとうございます！月末は更新が滞ってしまうので気長に待ってくれると嬉しいです🫶 (2月26日 17時) (レス) id: 0b61587847 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅけ - わわ...続きが気になります..!ハズビンホテルでクオリティの高い作品は数少ないと思うのですが、この小説はめちゃめちゃ読みやすくて面白いのでハマってしまいました☺️更新待ってます！ (2月26日 1時) (レス) @page15 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
カガリビ(プロフ) - いちご丸さん» またまたコメントありがとうございます。続編からはヘルヴァボスもどんどん出していくつもりです😎どうぞお楽しみにしていてください🫣 (2月21日 17時) (レス) id: 0b61587847 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 殺し屋やってるインプって・・！ブリッツじゃないですかーーー！！！まさかスピンオフの方まで見ていらっしゃったとは・・！こういう小ネタ？テンション上がります笑 (2月21日 17時) (レス) @page6 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カガリビ | 作成日時：2024年2月20日 23時
