65話 息が詰まる ページ18
昨日は結局、何も出来ずに一日を終えた。昨日の分も含めて今日はキリキリ働かなければ。そう意気込んで、AはVVVのオフィス、ヴォックスの執務室へと入った。
が、入るなり彼女は言葉を、呼吸を失った。
「あ、るま……？」
そう、そこにいたのは紛れもなくアルマ・バーナーズだった。昨日会ったばかりの女。死んでも会いたくなかった女。その女がヴォックスの隣で親しげに話していた。
「おはようA、気分はどうだ？」
「……おはよう」
「彼女は今日から我がヴォックステック社で働いてもらうことになったアルマ・バーナーズだ。かなり優秀な悪魔なようだから即時雇用したんだ。仲良くしてくれ」
「え……」
「よろしく、A。ここではあなたの方が先輩だって聞いたわ。色々教えてね」
アルマはAの手を取って握手をした。瞬間、Aは彼女の手を弾いていた。
「A？」
「あら、どうしたの？私何か気に障ることした？」
「冗談じゃ、ない。アンタと同じ空間で息を吸うことを考えただけで腸が煮えくり返りそう。頭がおかしくなる」
青ざめた顔で、震える声で、Aはアルマを拒絶する。しかしアルマはそんな様子の彼女を見てもなお、余裕そうに笑った。
「なあにA、まだ生前のことを引きずっているの？私もうあんな酷い事しないわ。約束する。それにここはビジネスの場よ。私情を挟むのはいかがなものかしら」
「よく、そんな平然とした顔で……」
「落ち着け2人とも、Aもし君が彼女とあまり仕事がしたくないというならしばらくはヴァルの管轄に……「ごめん」A」
「え？」
「ごめん、万が一にも顔を合わせるかもしれないというこの環境で仕事なんてできない。かといって彼女を解雇しろなんて身勝手なことを言うつもりも毛頭ない」
「なら、」
「いい。元より私はこの会社の社員じゃない。ヴォックスの部下でもヴァレンティノの部下でも、ヴェルヴェットの部下でもない。ただここにいさせてもらっているだけの部外者だ。だから今日でここを去るよ」
「ま、待て！やりようは他にもあるだろう！」
ヴォックスが慌ててAを引き留める。しかし彼女はそれすらも振り払って、部屋を出ていってしまった。
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！ハズビンホテル感の多い作品ってあまり見かけないのでめちゃくちゃ嬉しいです！最高です更新楽しみにしてます！ (4月2日 8時) (
レス) @page17 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
カガリビ(プロフ) - ちゅけさん» コメントありがとうございます！月末は更新が滞ってしまうので気長に待ってくれると嬉しいです🫶 (2月26日 17時) (レス) id: 0b61587847 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅけ - わわ...続きが気になります..!ハズビンホテルでクオリティの高い作品は数少ないと思うのですが、この小説はめちゃめちゃ読みやすくて面白いのでハマってしまいました☺️更新待ってます！ (2月26日 1時) (レス) @page15 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
カガリビ(プロフ) - いちご丸さん» またまたコメントありがとうございます。続編からはヘルヴァボスもどんどん出していくつもりです😎どうぞお楽しみにしていてください🫣 (2月21日 17時) (レス) id: 0b61587847 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 殺し屋やってるインプって・・！ブリッツじゃないですかーーー！！！まさかスピンオフの方まで見ていらっしゃったとは・・！こういう小ネタ？テンション上がります笑 (2月21日 17時) (レス) @page6 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カガリビ | 作成日時：2024年2月20日 23時
