14 欲張り ページ15
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『で、そろそろ嫁がせてくれませんか？』
ミンミンと蝉が劈くほどに鳴く夏の日。
目の前で綺麗に水滴が口から出るのを見ながら、私は頬杖をして先生を見つめた。
「ｺﾞﾎｯ、ｯ、佐倉っ、急になにを…」
『なにをって…先生、私は真剣ですよ』
「あのなぁ、いつも言ってるけど俺とお前は教師と生徒で……」
『そんなの理由になりませーん！大体 私もうすぐ卒業するんですよ？ 対象になるもん』
先生の呆れ顔も見慣れたものだ。
ただ、本気だとようやく分かったくせに中途半端にする先生が悪い。そんなの、諦めなくていいって言われているような気がしてしまう。
夏休みは会えないと思っていたが、軽音部がたまに顔合わせのようなもので部活をするため、たまにだが先生と会える時間が出来たのだ。
部活が終わってからの2時間。
この時間は決して譲れない。
「気持ちは嬉しいけど……」
『けど？』
「…何でもねぇ。とにかく無理です！」
『嫌です!!』
諦めてほしいんだったら、もっと強く断ってよ。
私がもう立ち直れないくらいにハッキリ潔く諦めろって言ってよ。
先生が甘やかすつもりなら、私は遠慮しないから。
「あ、そうだ。進学先は爆豪と一緒なんだろ？」
『希望調査、勝手に書かれた』
「まぁ事情は聞いてるし、佐倉がいいなら俺は賛成だけどな」
『確かにしたいこともないし、進学するのが1番なのかなって私も考えてます』
さっきのふわふわしたムードはなくなって、いつの間にか担任と生徒の真面目な進路話。
大学は決まってるものの、学部は決まってないからそこがまた悩みどころなのだ。
う〜んと唸っていると、
「悩んだら相談しろよ？」
頭に置かれた大きい手。
この人はこれだからいけない。思わせぶりで、人の気も知らないでどんどん夢中にさせる。
滅多に触ってもらうことなんてない私にとって、たった数秒のことでも心拍数は信じられないほど上がってしまう。
『…私だけにしといてよ』
「ごめん聞こえなかった！ なんて言った？」
『何でもない！！』
この手を自分のものだけにしておきたいなんて、
付き合えてもいないのに欲張りすぎだろうか。
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R E N(プロフ) - 始めまして！！ＲＥＮと言います！！なんとなく、ヒロアカの夢を探していたらこの作品と出会いました！！とっても好きです！！はい！！更新、待たせてください！！ (2022年6月21日 16時) (
レス) id: 421fc06055 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - すっごく好きです！！更新待ってます…！！ (2022年6月3日 22時) (レス) id: 500e077a21 (このIDを非表示/違反報告)
Ray.(プロフ) - 稲荷狐さんさん» 私もそのコメントにニヤケ面が止まらないでございます…！ありがとうございます！！亀更新ですが、見守ってくれたら嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 6a8a3c2907 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷狐さん(プロフ) - え、切島が可愛すぎて表情筋が働かない…（訳：勝手に顔がニヤける） (2021年8月26日 22時) (レス) id: d2f11fc73b (このIDを非表示/違反報告)
Ray.(プロフ) - 桧さん» またコメントうれちい…ありがとうございます泣 すごくシンプルで分かりやすいです、語彙力なんてなくても桧さんは存在が素晴らしいので何でもアリでーす！笑 先程更新したのでぜひ見てください♪ (2021年8月24日 12時) (レス) id: 6a8a3c2907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ray. x他1人 | 作成日時：2020年8月11日 22時
