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だって、じゃあ、どういうこと？
「…え、でも、」
「なに？笑」
「だって…他の女の子いっぱい抱いた、」
「うん」
「ハルトは両思いって気付いてた？」
「うん、そうだね」
「なんで早く告白してくれなかったの？」
ハルトは自分の腕の中にいる私の頭を撫でながら相槌を打つ。
「んー、俺もAの初めて大事にしたかったっていうか」
「？どういうこと？」
「他の女としてる時も相手のことAだと思ってしてたし」
「はっ？！バカなの？！」
「いや？男ってそんなもん」
なんか、言ってることめちゃくちゃすぎない…？
私が納得してない表情をしていたのか、ハルトは短く息を吐いてから私の目を見つめ直した。
「…正直、自信なかっただけ」
「ハルトが？」
「そう。こんなことしてる俺なんかが告白しても信用してもらえないかなー、とか」
まあ結局、このおバカは俺のこと好きだったみたいだけど。と至近距離でふわりと笑った。
自分に自信たっぷりに見えるから意外かも。
そう思ったけど、思い返してみればハルトは昔から自分より相手のことを優先できる子だった。
良いとこは何も変わってないんだと思うと、なんだか目の前にいる彼を愛おしく感じる。
「ほんとに他の女の子切るんだよね？」
「えー、俺まだAから好きって言われてない」
「ちょっとなにそれ…」
「言ったらすぐ切ってあげる、連絡先も全部」
なんでそっちが偉そうにしてるんだ…と若干不服に思いながらも、他の子との関係を続けられるのは嫌だから勇気を出して口を開く。
「……好き、」
「うん」
「だから私だけにして」
ハルトは頷くと、満足そうに私の頭を撫でて
もう一度優しく口づけをした。
..
帰り道、本当に家族と私以外の女の子の連絡先を消した彼に送られながらふと考える。
これは付き合ったってことで、いいんだよね…？
「なに難しい顔してんの？」
「あの…私って、もうハルトの彼女ってことでいいの…？」
「ふはっ、かわい、」
眉毛を下げて笑うハルトは「うん、Aが俺の彼女」と指を絡めて手を繋いでくる。
柄にもなく胸がきゅんとしちゃったのが恥ずかしくて、気づかれないように俯いた。
「あー、俺この先大変そうだわ。色々我慢の嵐だな」
「え？何？」
「いやなんでもない。独り言」
まだ少しジメっとしている夏の夜、
不思議な気分と幸せが入り混じった感覚を味わった。
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作者名：藍 | 作成日時：2023年11月1日 14時
