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風磨side
ピーポーピーポー
・
耳をつんざくような救急車のサイレンが、夜の住宅街に鳴り響く。
俺のTシャツが真っ赤に染まり、電灯がその鮮血を黒々しく照り付ける。
救急隊「大丈夫ですか?あなたが通報者の菊池さんですね?」
風磨「は、はい...」
もう何が起こっているのか、そんなの把握しようとさえ思えなくて。
いや、そうじゃない。
きっと、怖かったんだ...
現実を知ることが怖くて怖くて仕方がなくて、逃げてるんだ。
なんか俺もう逃げてばっかりじゃん。
だから目の前にある大切なものに気づかない。
見えない。
虚しいよね...
醜いよね...
こんな弱い自分が、大嫌い。
・
・
救急隊「くち...菊池さん!」
救急隊員さんの声で、我に返る。
いつの間にか中島は救急車に運ばれていて、救急隊員さんが心配した顔でこちらをのぞき込んでいる。
何やってるんだろ...俺...
しっかりしなきゃ、
中島の笑顔を絶対に取り戻すって決めたんじゃなかったのか?
しっかりしろ、菊池風磨。
``中島を救えるのは、俺、だけだろ...?``
*
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ゆいっしー(プロフ) - パスワードを教えていただけますか? (2023年1月1日 21時) (レス) id: 8ef029cb40 (このIDを非表示/違反報告)
星 - パスワード教えてほしいです! (2021年11月3日 11時) (レス) @page20 id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
楽々 - 続きが読みたいです! (2021年8月7日 13時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
M - この作品のtwoのパスワード教えてください (2020年6月2日 18時) (レス) id: 8e4485d92c (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - sakiさん» ありがとうございます。できるだけ早く皆様にお届けできるよう精いっぱい頑張ります。 (2020年5月27日 21時) (レス) id: e1d054f011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるみ | 作成日時:2020年2月27日 17時