包装紙を解くように 3 ページ9
「え、何でパーカー着てるの」
「だ、って……」
相変わらず俺のヌナ呼びに加えお願い事には弱いヌナ。
最初は物凄く拒否られたが最終的に渋々頷いてくれて、心の中でガッツポーズを決めたのだが、寝室から着替えを終えて出てきたかと思えば、パーカーを羽織っていた。しかも俺が愛用している物なので、ヌナが着れば丈が少し長くて、それこそワンピースの様になっている。
一応、着替えてはくれているらしく、パーカーの裾からひらひらと真っ白いレースは見えていた。
「せっかく着たんだから見せてよ」
「……ウォヌくん、何だかおじさんみたい」
「ふはっ、さっき同じような事言ってたくせに」
「うぅ……」
「いいから。とりあえず隣来て」
大好きな人が可愛い恰好してるんだから、そりゃおじさんみたいにもなるよ
俺の隣をぽんぽんっと叩けば、Aはおずおず近付いてきて遠慮がちにちょこんと横に座った。
「自分で脱ぐのと、俺がやるのどっちがいい?」
「…………じ、ぶんで脱ぐ」
「ん」
長い沈黙の末、顔を真っ赤にしたヌナがか細い声で言った。そんな姿すら愛らしくて、今すぐにでもパーカーをはぎ取ってやろうとしていた手を大人しく引っ込める。
ジジッとファスナーを下ろす音がして見れば、ヌナは恥ずかしいからか、ゆっくりゆっくりと下ろしていて逆に俺を煽っている様に見えた。
本人はそんな事微塵も思ってないんだろうけど
開かれていくパーカーの中から、ヒラヒラっとレースやフリルが見える。
ファスナーを下まで下ろしきり後は袖を脱ぐだけなのだが、ヌナはそこでぴたりと動きを止めてしまった。
「ヌナ?」
「も、もう、無理……恥ずかしい」
「なら、俺がやってもいい?」
俯くヌナがこくんと僅かに頷くのを確認して、そっと近づき肩からパーカーを落とし、スルッと脱がすと、細い紐で繋がり胸元のフリルやリボンが揺れる真っ白いベビードールが現れた。
ヌナの透き通るような肌にとても良く似合っていて、ほぼ無理やりだったが着せた自分を褒めたい。
「…………」
余りの可愛さに言葉を失っていると、それをマイナスに捉えたのかヌナが
「やっぱり、似合わないでしょ?着替えてくるね」
「え、何処行くの」
ヌナが立ち上がり逃げようとしたので、咄嗟に肩で結ばれていたリボンを引っ張ると、シュルっと勢いよく解けた。
「ひゃ、っ!うぉ、ウォヌくん!?」
慌ててワンピースの胸元を押さえるヌナの姿を見て、ぞわっといたずらごころが湧いてしまった。
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作者名:NOAH | 作成日時:2024年3月13日 23時