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「太宰を見たか?」
パソコンから目を離し、顔を上げてみると。
「いや、見てないです」
敦にそう問いかける国木田の姿があった。
「今日は社に一度も顔を出していない」
すっかり夕方を指している時計の針を見て、国木田は大きくため息をついた。
「たしかに、一度も顔を出してないですね」
そっとパソコンを片付けながら、敦は答えた。
「探しに行くか。仕事をさせるために」
有無を言わせぬ国木田の姿に、敦は何も言えなかった。
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「_____?」
懐かしい香りに驚いてハッとして目を開く。
「気づいたかい?」
横を見ると太宰さんの姿があった。
「かなり'酔っていた'みたいだから運んでしまったのだよ」
______思い出せない。
あたりを見回してみれば、どこかの家なようで。
自宅ではないことから太宰さんの家だということがすぐにわかった。
「酔っていた、ですか。」
「そ。あまりの状態に連れ帰ってしまったのだよ」
「あ、ありがとうございます、?」
「うん、どういたしまして」
にヘラと笑う彼に一瞬だけ体がこわばる。
「Aを助けるために、私は頑張ろうかなぁ」
「私を、ですか?」
「情報屋なんてやめて、武装探偵社に入りなよ」
真剣そのものの瞳に一瞬だけ心が揺らいだ。
いけない。私はこのままではだめだ。
「丁重にお断りさせていただきます」
ペコリと頭を下げる。
「やっぱり?」
太宰さんはそう言ってせつなそうに笑った。
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抹茶パフェ(プロフ) - 赤月セレンさん» 楽しみに待っていてください笑笑笑 (2018年2月19日 21時) (レス) id: cf48d4b976 (このIDを非表示/違反報告)
赤月セレン(プロフ) - 抹茶パフェさん» わあああありがとうございます…!!楽しみにしてますね(´˘`*) (2018年2月19日 20時) (レス) id: f86cb701a2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶パフェ(プロフ) - 赤月セレンさん» 了解です笑近々入れていきたいと思います笑笑笑 (2018年2月19日 17時) (レス) id: cf48d4b976 (このIDを非表示/違反報告)
赤月セレン(プロフ) - 抹茶パフェさん» 抹茶パフェさんにもこれからの展開があるから、無理にとは言いませんが…新双黒との絡みが欲しいです!難しいようでしたらもう全然無視して構いませんので!!m(_ _)m (2018年2月18日 23時) (レス) id: f86cb701a2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶パフェ(プロフ) - 赤月セレンさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!リクエストとかあったらぜひどうぞ!(笑) (2018年2月18日 17時) (レス) id: cf48d4b976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:抹茶パフェ | 作成日時:2017年1月5日 15時