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___「芥川先輩!お疲れ様です!」
樋口一葉は、そう言って芥川に駆け寄る。
遅かったのだ。彼の帰りが。
いつも、時間通りに帰ってくる彼が、しかも、私服の格好で。
「__あぁ、別にどういったこともない」
着ていた黒いパーカーを脱ぐと、彼はドカリとソファに腰掛ける。
いつもと変わらない彼の行動だが、樋口は一箇所だけ気になった点があった。
「_____先輩、どうしたんですか」
「__?、別に特には無いが」
「明らかに変ですよ、先輩!」
樋口はそう言い、彼にぐっと近づく。
「なんでもないと言っているだろう!しつこいやつだ」
芥川は彼女を払いのけるように身を引くが、彼女はそんな彼を射抜くかのように告げた。
「先輩、いつもより嬉しそうですが」
「何をぬかす、もう一度言ってみろ」
「いえ、私の見間違いですので失礼いたしましました」
秒速で彼女は彼から離れた。
危ない危ない。危うく彼の影に刺殺されるところだった。
にしても。
あの芥川が、あんなに恍惚とした表情で。
「仕事、うまく行ったのかなぁ」
樋口のちいさなつぶやきが静かに部屋に消えていった。
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「くしゅんっ!」
私は小さくくしゃみをする。
こんなにもここが寒いだなんて思っても見なかった。
結局あのメールのとおり、彼らの情報をつかもうと単独で乗り込んだものの。
「まさか、本基地がコンテナだなんて」
少しだけ肌寒い季節に、このコンテナ。
見る限り人気も少ない。
メールで添付されてきた地図は間違いなくここなのだが、こんなところで貿易の資料だなんて見つかるのか。
若干廃墟のようなコンテナの中を一人で探索する。
めぼしいものも特にない。
情報、と言ってもいろいろある。
上に書かれているタイプや、人から聞くタイプ。
今回はどちらかよくわかっていないから、なおさら探すのが大変そうだ。
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抹茶パフェ(プロフ) - 赤月セレンさん» 楽しみに待っていてください笑笑笑 (2018年2月19日 21時) (レス) id: cf48d4b976 (このIDを非表示/違反報告)
赤月セレン(プロフ) - 抹茶パフェさん» わあああありがとうございます…!!楽しみにしてますね(´˘`*) (2018年2月19日 20時) (レス) id: f86cb701a2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶パフェ(プロフ) - 赤月セレンさん» 了解です笑近々入れていきたいと思います笑笑笑 (2018年2月19日 17時) (レス) id: cf48d4b976 (このIDを非表示/違反報告)
赤月セレン(プロフ) - 抹茶パフェさん» 抹茶パフェさんにもこれからの展開があるから、無理にとは言いませんが…新双黒との絡みが欲しいです!難しいようでしたらもう全然無視して構いませんので!!m(_ _)m (2018年2月18日 23時) (レス) id: f86cb701a2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶パフェ(プロフ) - 赤月セレンさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!リクエストとかあったらぜひどうぞ!(笑) (2018年2月18日 17時) (レス) id: cf48d4b976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:抹茶パフェ | 作成日時:2017年1月5日 15時