【文スト】指名手配犯の情報屋

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______武装探偵社にて。

　




パソコンを又密かに立ち上げつつ、僕は小さくため息をついた。









手がかりとなるものが一切ないのだ。









写真すら後ろ姿で、何よりも少なすぎる情報たち。









指名手配犯として全体に張り出されているわけでもないのに、彼女が`指名手配犯`と呼ばれている理由すら。









「本当に謎な人物だなぁ」








途方に暮れる僕に、国木田さんがいう。









「だから言っているだろう、お前には所縁も縁もないと。諦めて仕事をしろ」







「僕には縁もゆかりもないって、なら国木田さんはあるんですか」


　




ふいに口から出た質問に、一瞬だけたじろぐ国木田さんを、僕は見逃さなかった。









「まぁ、少しくらい、な。」









「えぇ！？ど、どんな人なんですか！？」








「何よりも太宰の仕事の手伝いに行ったときにちょっとしたトラブルがあってだな、そのときに太宰からいろいろ聞いたのだ。」









「だからそこまで期待されるほどちゃんとした情報はない。まぁ、ある事件の話だった。」









「えぇ？事件、ですか？」









パソコン画面をスクロールする手を止めて僕は国木田さんに問う。









「まぁ、昔のことだ。そんなにソイツのことを気にしても仕方ないだろう？」









「そうなんですけどねぇ」









気になっちゃって、も僕は付け足す。









やれやれ、と首を振り、少しだけ国木田さんは答えてくれた。









「まぁ、【仕事】関係だよ、そいつの話は」

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