【文スト】指名手配犯の情報屋

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「へぇー、指名手配犯ですか」








武装探偵社の一員である彼ーー中島敦は声を漏らす。









「そうだ。こいつにあったらとにかく逃げろ。」









釘を指すように国木田が続けた。









国木田がもつ一枚の写真には、後ろ姿しか写っていない。









「名前ってなんていうんですか？」






「分からない。」







短くそう答えると、国木田はメガネをクイッと上げる。









「最近噂になっている人物だからな。もしかしたら(・・・・・・)マフィアの一員かもしれないが」









「マフィア、ですか」









敦はそう言うと一人の黒ずくめの男を思い出す。









「芥川と同じくらいの力を持つんですかね」









「いや、きっとそれ以上だ」









国木田はそう言い、席につく。









「まぁ会うことはないだろうから、お前は自分の任務をしっかり果たせ」









理想ノートを片手に彼はもう仕事に取り掛かっているようだった。

　
　









ーーー指名手配犯、か。








自分も似たようなことを言われていたなぁ、なんてふと思いながら。









敦はパソコンを密かに立ち上げる。









少なからず、その指名手配犯を調べてみたくなった、といったほうがいいのかもしれない。









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