32.Hey,lady? emsha【2】 ページ48
shaside
エミさんの手を取り潜入した会場は、とても煌びやかでまさにパーティー、といった感じだった。
「おわ…すっげぇなマジで…。」
つい本音を漏らすとエミさんが小さくため息をついて。
「…シャオロンさん今レディって設定なんですから言葉遣い気をつけなダメですよ…。」
「あらごめんなさいダーリン、気をつけるわ。」
そう言って微笑むとエミさんが顔を逸らした。肩を震わせて、含み笑いも聞こえる。
「…ダーリン、ね……まあ好きなように呼んでくれたらいいですけど…。」
なんや不服か、と目で訴えたあと、そのまま機密情報室への通路を探る。
すると、武装していそうな女と数人の男で固められた場所があるのが目に付いた。
「…ねぇダーリン？あれ…。」
俺がそちらの方を指さすと、エミさんも小さく頷いた。
「ええ、あれでしょうね。ただ警備が少し厄介だ…。」
「何で女が配備されてるんや…？ちょっとガバすぎへんか？」
声を潜めて小さく毒づくとエミさんは険しい表情をして首を振る。
「いえ…あれはきっと手練だから配備されてるんでしょう。それにここは次の外交相手国。人を殺したら関係が悪くなるので殺さず行くしかないでしょうね…。」
「うげ…殺したらあかんのか……。」
俺がげんなりしながらそう言うとエミさんは少し考える仕草をした後、組んでいた腕を離した。
「…私が何とかあの女の人を口説いて引き付けますから、その間にシャオロンさんは奥へ。残りの警備の男の人達は何とかして席を外させます。できますか？」
「…俺はいけるけどエミさんできるん？」
正直いつもの様子を見ていると不安すぎるので訊ねると、エミさんはふ、と微笑んだ。
「えぇ、見よう見まねでやってみます。そっちは任せましたよ。」
「…はぁ、任せて頂戴、ダーリン。」
すると、エミさんは早速女の元へ言って挨拶を交わす。
二言、三言、何か話をしているようだ。
警戒していた女が段々と表情を崩してゆき、終いには楽しそうに微笑んでいるのが見える。
何言われてるんだか。
エミさんも俺に見せたことないような笑顔で女に話してるし。
…なんか腹立つなぁ。
そしてエミさんが何かを言って女の手を取ったあと、女は少し頬を染めて警備の男達に何か言っているようだった。
男達は顔を見合わせ首を傾げながら散り散りに会場内へと歩いていく。
するとエミさんがこちらを見て、ぱち、とウインクをした。
はいはい、行きますよ。と片手をあげ、通路の方へと歩き出した。
32.Hey,lady? emsha【3】→←32.Hey,lady? emsha【1】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (2023年5月12日 1時) (
レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)ﾏｶﾞｵ (2023年5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません！尊いは最大の褒め言葉です…！ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Labo | 作成日時：2020年4月21日 10時
