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18.秘めたる想いは少しずつ。 ostn【2】 ページ5

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すると、オスマンは少し驚いたように目を見開いた。
その瞳には、焦燥?寂寥?歓喜?
色々な感情が綯い交ぜになっているのが見て取れた。

「あぁいや……別に意味なんか無いよな。すまん。ただ、他の誰でもええはずなのに俺を呼ぶ意味が分からへんかっただけで……」

こうも毎日呼んでもらえるとどうして少し期待をしてしまったのだが、その明らかにおかしい反応を見て変なことを言ってしまったと慌てて弁解をすると、カチャ、とカップをソーサーに置いて、オスマンがぽつりと。

「……トントンは、意味無いと思うか…?」

「……はい…?」

意味…?というのは、俺である意味、ということだろうか。

「あぁ…まぁ、俺なんか気の利いた話もでけへんし、正直俺なんかとお茶飲んでて楽しいんかなとか思うけど。」

するとオスマンは、少し淋しげにふ、と微笑んだ。

「俺なぁ……口下手やからさぁ…なんて言うてええか分からへんのや…。」

花瓶の、白い葉のようにも見える花をつつきながら、ぽつ、と独り言のように呟いた。
その儚げな微笑みに、心臓がずくん、と冷たく痛む。

「は…?オスマンが口下手?そんなわけ……」

「せやから…こんな、不器用な……回りくどいやり方しか分からへんねんな…。」

オスマンの綺麗な指先が、つつ、と花弁の表面をなぞる。まるでその仕草は、花に語りかけているようで。
こんなオスマン見たことがない。
そんな表情、しないで欲しい。
不安になって、話題を逸らそうと口を開いた。

「っ、この花!なんて名前なん?」

すると、オスマンは少しだけ嬉しそうに微笑んで。

「この花……今日のは、ブーゲンビリアって花やよ。…綺麗やろ?」

何だ?
なんでこんなに嬉しそうに笑ってるんだ?
嬉しそうなのに、どこか寂しそうな……。
すると、頭の中にふと、ある一つの考えが浮かんだ。
これはもしかして……。

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作品ジャンル:恋愛
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るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (5月12日 1時) (レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)マガオ (5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません!尊いは最大の褒め言葉です…!ありがとうございます…!! (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Labo | 作成日時:2020年4月21日 10時

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