23*.振り子の気持ち、青い鳥。 knsyp【2】 ページ19
sypside
心臓が止まるかと思った。
赤い顔、バレてなかったやろか。
曲がり角で壁に背を預けながらへなへなと座り込んだ。
だって急にコネシマさんがあんなことするから。
顔の赤みが全然引かない。
でも本気じゃないんだろう。
あの人はいつだってそうだ。
誰とでも距離が近くて、明るくて、実は優しくて。
…そう、誰にでも。
「………期待するだけ無駄なのにな……。」
そう口に出しても、どうしても期待してしまう。
分かってるのにな。
こんなに好きなんは自分だけやって。
だって愛想もない、冷たいことばかり言うような可愛くないやつのこと、好きになってくれるわけがないんだから。
どうせさっきのシガーキスだって……キスのつもりじゃないんだろう。
ただ本当に、悪戯であんな火の貰い方しただけって、きっとそれだけとしか思ってない。
そう思えば思うほど辛かった。
せめてもっと素直に、好きって言えたら。
態度に出せたら。
そう思って気をつけようとするけれど、どうしても実際に会うと目も合わせられないし上手く笑えないし思ってもない冷たいことが口をついて出てくるし。
せめて可愛げのあるツンデレだったらいいのに、これじゃただの無愛想だ。
猛省して嫌になっていると、誰かの足音が聞こえた。
「お、ショッピくんやん。こんなとこでどうしたん?」
そう言って目線を合わせ笑いかけてきたのは訓練終わりらしいシャオさんだった。
「……別に、何でも……。」
「ハイ嘘。どーせシッマのことやろ?」
にやにやしながらそう訊いてくる。
何だよ、お見通しみたいな態度で…。
「……やかましいです。」
そう言って俺が目を逸らすと、シャオさんはむに、と俺の頬を両側から挟んでにっ、と笑って。
「あんなぁ、ショッピくん。シッマあいつクソほど鈍感やから、口で言うてやらんと分からへんで?大丈夫やって、ショッピくんなら!」
シャオさんは俺の頬から手を離して立ち上がると、くしゃ、と俺の頭を撫でた。
「……何すか、あんただって素直やないくせに。」
「はいはい。まぁないと思うけどもしフラれたら俺が慰めたるわ。頑張れよ。」
勝手にそう言ってシャオさんはじゃーな、と歩いて行ってしまった。
勝手な人やな。簡単に言いやがって。
……でもそうか…。
「口で言う、か…………。」
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るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (5月12日 1時) (レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)マガオ (5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません!尊いは最大の褒め言葉です…!ありがとうございます…!! (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Labo | 作成日時:2020年4月21日 10時