1.ゲーム・ファースト・げーむ emsha【7】 ページ8
emside
「なぁ、えみさん。しよーや、ほら。」
蕩けた顔の悪魔。
目の前に差し出されるポッキー。
彼の視線が、表情が、はやくはやくと急かす。
…どうせ彼は酔っているんだ、この誘惑に乗っても……。
心が傾きかけたその時だ。
「すきありぃ〜」
こつり。
にへと笑った彼は差し出していたポッキーで私の額をつついた。
ほんの少しパフェのクリームが付いたポッキーでそれをやられたため、額にクリームがついている感覚がある。
どういうことなんだ一体。
誰か説明してくれ…。
「お〜？なんやえみさんぽっきーげーむってゆったからきたいしたんか〜？ぽっきーもったらまずちゃんばらやろ？」
相変わらず舌足らずなような、どうにもふわふわとした口調でくひひ、と笑う。
…ポッキー持ってチャンバラって……小学生か。
まぁ何はともあれ、彼が迫っていたのがそんな事だったのなら良かった。
「……っはぁ、驚かせないでくださいよ…。ちょっとたち悪いんとちゃいます？」
咎めるような視線を向けちょっとした文句を言ってやったなら、彼はくすぐったそうにんふふ、とはにかんだ。
「ええやろ？ぶれーこーやん。」
「よう言うわほんま。」
呆れたように言えるのは安堵あってこそ。
なんだ、微笑ましい空間はここにもあったのか。
「あ。」
「ん？」
小さく何かに気づくような声を上げ、シャオロンさんの手が額に伸びる。
「くりーむついとるよ？」
「あなたが付けたんやけどね…。」
ひょい。
指先に真っ白なクリームを掬い取って。
そのクリームを、赤い舌先が…………え？
「…！？何してはるんです！？！？」
「え、なにって…くりーむたべた。」
…訂正。
やっぱりシャオロンさんちょっと酔いすぎで脳みそ溶けてはる。
微笑ましさとか皆無や。
「〜〜〜っ、そういうことは簡単にしたらだめですよ？」
「なんでぇ？あまくておいしかったで？」
「いや…そうじゃなくて……。」
やっぱりあかんもうあかん。
頭を抱えるしかない現状、助けてくれる人など最初からいない。
はぁ……こんな掻き回されるなら最初から食害を避けずにあの賑やかなテーブルに身を置いておけばよかった。
ため息をひとつ吐きやけになったようにさっき渡されたポッキーを齧る。
やっぱり美味しいなぁ、ポッキーに罪はない。
シャオロンさんはまた私を不思議そうに見つめていたけれど、しばらくして皿に乗ったポッキーと私を交互に見比べて、瞬きをみっつ。
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Labo(プロフ) - ハリマロンさん» 返信遅れてしまってすみません！！shaさんが最推しでして…どうしても多く書いてしまうんですよ…。お楽しみ頂けたなら幸いです！ありがとうございます！！ (2022年5月24日 5時) (
レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 腐った茄子さん» 返信、長らく遅れてしまってすみません！ようこそ、こちらの沼へ…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、とても遅れてしまいましてすみません！神だなんて…お褒めの言葉、ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
ハリマロン - sha多くて好きです！これからも頑張ってください！！ (2021年10月30日 9時) (レス) id: 701b22f352 (このIDを非表示/違反報告)
腐った茄子 - ……grutか………(新しい沼) (2021年8月6日 15時) (レス) id: 92d9c6e107 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Labo | 作成日時：2020年4月1日 0時
