10.ハッピー・トリップハート zmem ページ34
ほんとにかるーくだけ学パロです。
emside
休日の駅前。
ざわざわとした喧騒の中、ちらちらと時計を見る。
まだ待ち合わせの時間よりも十五分も早いのに、そわそわするのが止まらない。
ただでさえ初めてのデート、失敗したらどうしようとか嫌われたら嫌だなとか服、変じゃないかなとかぐるぐる考えてしまう。
あぁ、大丈夫かな…………。
「えーーーーみさんっ！！！何ぼーっとしてるん？」
後ろからどんっ、と叩かれ、身体がびくっとしたけれど、その声を聞いて驚きのどきどきが熱を持った拍動に変わった。
「おはようございますゾムさんっ…！ちょっと考え事を……っ」
そう言いながら振り返って、言葉が止まった。
いつも制服姿しか見ていないゾムさんの、初めて見る私服の姿。
ラフなパーカーが細身の身体にとても似合っていて、つい見蕩れてしまった。
「エミさんの私服初めて見たわ。ええやん、めっちゃ似合ってるで。」
「えっ…ぁ、ゾムさんこそ！私服、とても素敵です……！」
えっなんか照れるわぁ、とはにかむゾムさんに、幸せが募るのがわかる。
「ゾムさん、どこか行きたいところとか……ありますか？」
そう訊ねると、不思議そうにゾムさんは首を傾げた。
「え、むしろエミさんないん？」
「いえ…！ゾムさんの行きたいところに行きたいです…。だって、私ばっかりこんなに幸せなのなんてきっと……ずるいです。」
「は？いや……」
「ゾムさんはっ…！普段学校でもものすごくモテてはるし、正直高嶺の花やったんです。そんな人と私が付き合えるってそれだけで、もう十分過ぎるくらい幸せなんですよ。だから……」
「いや、エミさん何言うてるん？」
「っえ……。」
真っ直ぐなゾムさんの瞳が私を射貫く。
これ以上は何も言わせない、とその瞳が語っていた。
「一緒に居られて、付き合えてるだけで幸せなんは俺やって一緒やし。他のやつが俺のこと好きとかどうでもええやん。エミさんは俺だけを見ててや。」
そう言った彼の大きな手がぽん、と頭に乗った。
心臓がすごい速さでどくどくと脈を打つ。
「それに、エミさんと行くとこなら俺、どこでも楽しいからええよ。」
にぱっ、と眩しいくらいの笑顔でそんなことを言う。
あぁ、本当にこの人は…。
「……ずるい、です…！」
「ふっ、何がやねん。ええからほら、エミさん飯行こうぜ！」
腹減ったわぁ〜…と私の手を引くゾムさん。
その触れ合った温度は、夢でも嘘でもない、幸せの温度だった。
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Labo(プロフ) - ハリマロンさん» 返信遅れてしまってすみません！！shaさんが最推しでして…どうしても多く書いてしまうんですよ…。お楽しみ頂けたなら幸いです！ありがとうございます！！ (2022年5月24日 5時) (
レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 腐った茄子さん» 返信、長らく遅れてしまってすみません！ようこそ、こちらの沼へ…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、とても遅れてしまいましてすみません！神だなんて…お褒めの言葉、ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
ハリマロン - sha多くて好きです！これからも頑張ってください！！ (2021年10月30日 9時) (レス) id: 701b22f352 (このIDを非表示/違反報告)
腐った茄子 - ……grutか………(新しい沼) (2021年8月6日 15時) (レス) id: 92d9c6e107 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Labo | 作成日時：2020年4月1日 0時
