Dress*4 ページ6
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｢ごちそうさまでした｡｣
｢美味しかった？｣
｢うん｡俺､Aさんの手料理毎日食べたいぐらい好き｡｣
｢そんな褒めても何もないよ？｣
｢別に何も求めてないもん｡｣
｢こんなので良かったらいつでも作ってあげる｡｣
｢それって一緒に住もうってこと？｣
｢ばか､違うよ｡それはまだ早いでしょ｡｣
｢でもいつかは一緒に住んでくれるでしょ？｣
｢いつかね､いつか｡｣
Aさんの隣に移動して､その流れでそのまま肩に頭を乗せてみる。
そうしたらまたいつもみたいに頭を撫でてくれる。
やっぱりAさんに頭を撫でられるの､好きだな。
ずっとそうしててほしぐらいに好き。
｢ねぇ､さっき言ってたみたいに名前呼んでよ｡｣
｢なんか改まって呼ぶの恥ずかしい｡｣
｢え〜約束したじゃん｡｣
顔を上げて上目遣いで見つめると､呆れたように微笑む。
そんな表情も好き。
｢しょうたくん…で､合ってる？｣
｢んふふ､合ってる｡｣
｢そんな嬉しい？｣
｢嬉しい｡｣
｢それは良かった｡｣
｢ねぇAさん｡｣
｢なーに｡｣
｢キスしてもいい？｣
｢いつも言うけど､あんまりそういうの聞かないで｡｣
｢なんで？｣
｢恥ずかしいから｡｣
｢許可取らずにしてもいいの？｣
｢いいよ｡しょうたくんになら何されても平気｡｣
｢そういうのずるいよ｡｣
｢え？｣
｢そういうこと言わないで｡｣
色々我慢してるのに､今。
｢そういうこと？｣
｢Aさんは知らなくていいことだよ｡｣
がっつきすぎて嫌われたくないし､引かれたくない。
だから､先に進みたい気持ちをぐっと抑えて距離をとる。
｢…？！｣
離れようとしたのに､Aさんに腕をつかまれた。
そのせいでバランスを崩してAさんの方へ倒れてしまう。
距離がぐっと近くなる。
離れているのは､わずか数cm。
｢許可取ったくせに､しないの？｣
そう言ったAさんの唇にそっと触れるだけのキスをする。
こんな状況､未遂で終われる人なんかきっといない。
不可抗力だと思う。
唇が離れると､んふふって柔らかく笑う。
Aさんの笑ってる顔､好きだな。
今日家に来てからまだ2時間ぐらいしか経ってないのに､何回好きって思ったんだろう。
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年3月17日 21時
