Call*4 ページ6
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さっき頭の中に思い浮かんだあの感情の正体。
今まで味わったことのない新しい感覚の正体。
名前をつけるにはまだ早すぎると思ったけど､それでももうこの気持ちを忘れたくない。
今まで恋愛ソングの歌詞や恋愛ドラマの主人公に共感したことはなかったけど､今なら分かるかもしれない。
いや､きっと分かると思う。
恋に落ちる瞬間は突然で､何の前触れもなく訪れるんだ。
それはまるで緊急事態のように､すぐには頭で理解することができない。
始まってしまったら､もう止めることができないんだ。
村瀬さんと友達になって1ヶ月｡
まだ1ヶ月しか経っていない。
人はこんなにも短い期間で誰かを好きになったりするんだろうか。
誰かを好きになるってこういうものなのだろうか。
気付けば視線で追ってしまったり､ふとした瞬間にその姿を思い浮かべてしまったり､最近の俺はどこかおかしくなってしまった。
それほど俺は村瀬さんに惹かれているんだろうか。
その全てが全部､恋のせいなのだろうか。
｢目黒くん？｣
｢…ん？｣
｢ボーっとしてたけど､何か考えごと？｣
｢いや､何でもないよ｡｣
｢そう？それならいいんだけど｡｣
｢じゃあ…帰ろっか｡｣
｢そうだね､帰ろう！｣
いつかこの恋が叶うといいのにな。
そもそも俺はこの気持ちを伝えることができるのかな。
もしそれができたら､村瀬さんはどんな反応をするんだろう。
きっと驚くだろうな。
｢目黒くん聞いてよ｡先生が私を呼び出した理由､ものすごくどうでもいい内容だったんだよ！｣
｢そうだったんだ｡｣
｢ひどくない？ほぼ私用だよ？｣
｢確かにそれは嫌だね｡｣
｢そのせいで目黒くんのこと待たせちゃったっていうのに…
あぁ〜思い出したらまたムカついてきた｡ほんとごめんね？正直結構待ったでしょ｡｣
｢俺はほんとに大丈夫だから｡気にしないで｡｣
｢もう､目黒くんは優しすぎるよ！もっと怒っていいんだから！｣
村瀬さんは俺のためを思ってそう言ってくれるけど､その先生のおかげで自分の本当の気持ちに気付くことができたし､俺にとってはむしろ感謝したいぐらいだ。
こんな風に友達思いな優しい一面も好きだな。
なんて､隣で話す村瀬さんの横顔を見ながらそんなことを考えた。
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年2月8日 20時
