Call*14 ページ16
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月曜日の朝。
気分はいつもより晴れている。
その理由は､俺にとって憂鬱なはずの学校が楽しみな場所に変わったから。
学校に行けば彼女に会えるなんて､今までそんな人生を想像したことがなかった｡
しかもその彼女がクラスの人気者で､自分とは真逆の人。
思い返せば思い返すほど､今が現実じゃないみたいだ｡
｢おはよう､蓮くん｡｣
｢おはよう｡｣
Aの最寄り駅に着いて､Aが乗ってくる。
今日から朝も一緒に登校することにした。
こうやって2人で過ごす時間が増えていくんだと思うと､なんだか幸せに感じた。
・
・
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｢なんか朝から嬉しそうだね｡月曜の朝なのに｡｣
｢そう？｣
｢幸せそうな顔してた｡｣
｢ふは､そんなの分かるんだ｡｣
分かるよ？って得意げに笑う。
｢実は私も今日楽しみなことがあって､朝からちょっとテンション高かったんだよね｡｣
｢今日って何かあった？｣
｢だって今日､私たち日直でしょ？｣
｢あれ､そうだっけ…｣
｢だって金曜日の放課後､先生から仕事頼まれて向井くんが駄々こねてたじゃん｡向井くんが金曜に日直ってことは､月曜は私たちでしょ？｣
｢そっか､そうだったね｡｣
｢私さ､日直って結構好きなんだよね｡｣
｢なんで？｣
｢その理由聞いちゃう？｣
心のどこかで､俺と同じ理由じゃないかって期待してる。
｢蓮くんと一緒に過ごす時間が長くなるからだよ｡｣
｢俺も…日直好きだよ｡｣
｢私も理由聞いてもいい？｣
俺が何を言うかなんて分かってるくせに。
それなのに聞くなんてずるいよ。
｢Aと一緒だからだよ｡｣
｢ふふ､私と一緒だ｡｣
ふとAの温もりが恋しくなって手を握る。
指を絡めるとすぐに握り返してくれる。
周りの視線なんて全く気にならない。
恋をするまで俺はこんなに大胆な性格じゃなかったのに。
恋が俺を変えたんだ。
でもAと一緒ならそれも怖くない。
恋が始まったあの瞬間､心を奪われたあの瞬間｡
2人の思い出が増えていったとしても､きっと俺はこの先もずっと覚えている。
繋いだ手から俺の気持ちが伝わってほしい。
あの日､俺に勇気を持って声をかけてくれてありがとう。
俺と出会ってくれてありがとう。
君のこと全てが好きだよ､って。
Fin
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年2月8日 20時
