Call*12 ページ14
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｢え…｣
｢ちょっと､その反応恥ずかしいよ｡今私目黒くんに告白したんだよ？｣
言葉を求められても､今は何を話しても自分の気持ちが伝わらなさそうで｡
それぐらい心がふわふわして､まるで空に浮かんでいるかのように落ち着かない。
恋は甘いって言うけれど､それってこんな感覚なのか。
｢おーい､目黒くん｡｣
｢…？！｣
気付けばすぐそこに村瀬さんの顔。
今までにない距離の近さに心臓がドキリと跳ねる。
｢ふふ､こんなに近づいても気付かないの？｣
｢ごめん､まだ実感が湧かなくて｡｣
｢それは私も同じだよ｡まだ実感湧かないもん｡｣
｢あの､村瀬さん｡｣
｢はい｡｣
｢俺と付き合ってくれますか？｣
｢ふふ｡こんな私でよければ､よろしくお願いします｡｣
・
・
・
こうして､俺と村瀬さんは付き合うことになった。
帰り道､思い切って手を握るとすぐに握り返してくれた。
そんな些細なことでも嬉しくなる。
｢私たち､ずっと両想いだったんだね｡｣
｢…うん｡｣
｢でも多分だけど､先に好きになったのは私だと思うな｡｣
｢え？｣
｢もう今は両想いって分かってるから言うけど､私が目黒くんを好きになったのは新学年が始まった日のあの瞬間だと思うから｡｣
｢俺が横を通り過ぎた時？｣
｢そうだよ｡私､目黒くんに一目惚れしたんだと思う｡｣
目黒くんは違うでしょ？って顔を覗かれる。
村瀬さんの言う通り､俺は一目惚れをしたわけではない。
関わっていくうちに､気付けば好きになっていたから。
でも､ただ1つ自信を持って言えることがある。
｢俺は…村瀬さんが初恋だったよ｡｣
｢え､｣
｢恋を教えてくれたのも､好きって気持ちを教えてくれたのも､好きだって伝えたくなったのも､全部村瀬さんが初めてだよ｡｣
足を止めてそう伝えると､村瀬さんは繋がれていない方の手で顔を覆い隠した。
｢村瀬さん？｣
｢目黒くんって急にそういうこと言うよね｡｣
｢そういうこと？｣
｢普通の人なら照れちゃって言えないようなこと､平気で言うじゃん｡無自覚なの？もしかして天然？｣
｢ごめん､怒ってる？｣
｢全然怒ってはないんだけど…｣
恥ずかしいだけだからって顔を上げると､見て分かるぐらいに顔が赤く染っていた。
｢かわいい｡｣
｢ま､またそういうこと言う…｣
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年2月8日 20時
