。 ページ44
kt side
｢んだよまた泣いてんのかよ...｣
｢だ、だってぇ...っ｣
もう先輩卒業しちゃうんだもん、もうここにいなくなっちゃうんだもん。
どれだけ会いたくても、もう理由つけないと会えないんだもん。
きっとこの特別な感情も、この日を境に閉じ込めなきゃいけないだろう。
ほんとはもっと言いたいことあるし、したいこともあるし、薮先輩やいのちゃん先輩や裕翔たちも呼んでやりたいこともいっぱいあるし。
もっと、なんて言い出せばキリがない。
言いたいことがありすぎて言葉に詰まる俺を見かねたのか、先輩はふいに俺の頭を撫でた。
｢お前、欲しいのあるんじゃねーの？｣
何もかもを見透かしてるかのような先輩の声に、急に頭が真っ白になる。
なんで、そんな、いつから。
誰にも言ったことないのに、まして本人になんて。
｢それってこれだろ、俺の｣
そう言われて渡されたのはシャツのボタン。
それはきっと、上から2番目のものだって信じていいのかな。
｢...い、いんです、か？｣
｢当たり前だろ。
俺がこれ守るのにどんだけ必死だったか分かってんのかよ｣
確かに先輩は人気だから。
当然既に取られてるものだと思ってて、あえて言わなかったのに。
というかそもそも言えなかった。
｢で、でもなんで俺に、｣
｢それはきっとお前が1番分かってるはずだよ｣
そんなの、期待しちゃうけど。
しちゃっていいのかな、いいんだよね。
だったらもうなりふり構わない、言いたいこと全部言ってやればいい。
だったらきっと、先輩が卒業したってもやもやした気持ちを抱えたままにならないだろう。
｢...先輩、次はボタンじゃなくて先輩の心がほしいです。
卒業したってずっと変わんないです、諦めないです、だから、その...っ、｣
｢...わりーな｣
不意に先輩はそう言った。
...そっか、そうだよね。
きっと別の人がいるから俺はボタンで済まされたわけで。
なんて思ったけど、次の先輩の言葉でそんなの全部吹っ飛んだ。
｢もうお前に奪われてるんだよ、ボタンだけじゃなくて心も。
だからさ、その...『先輩』は卒業してもらっていい？｣
End.
-------------
リクありがとうございました！
シチュの設定がなかったので勝手に卒業式設定、理由は単純にわたしが高校卒業したからです。
諸事情でリク消化の順番が前後しています、すみません(＞_＜)
◎ 今夜生まれ変わる ( 青× ) #→←◎ ｢先輩｣禁止 ( 黄× )
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたなべ(プロフ) - けーとにゃんloveさん» リクありがとうございます...！遅くなるかもしれませんがしばらくお待ちくださいませ(>_<) (2018年3月2日 21時) (
レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
けーとにゃんlove(プロフ) - リクエスト失礼します！やぶけとで甘々なお話が読みたいです！！遅くなっても大丈夫ですので、お待ちしています！！ (2018年3月2日 1時) (レス) id: 2a608d2044 (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃん。(プロフ) - 了解しました！気長に待っていますね。 (2018年2月23日 19時) (レス) id: 99f1ea0a16 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - はるにゃん。さん» リクありがとうございます◎ 今回公開したのは別の方のリクエストなのでまた後日お書きいたします...！ (2018年2月23日 16時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃん。(プロフ) - ひかけとでお願いします。 (2018年2月23日 0時) (レス) id: 99f1ea0a16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたなべ | 作成日時：2018年1月22日 19時
