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寒いなぁ、上着くらい着てこればよかった。

何にも考えずに家を飛び出した自分に少し呆れる。

...でもそもそもはいのちゃんが悪いもん。

けいと悪くないもん、意味わかんないことで怒ってるいのちゃんが悪いもん。

寒いけど家には帰りたくない。

そういえばお昼から山ちゃんとカフェ行くって言ってたっけ。

だったら山ちゃんの家に行けばいいや、と思った瞬間だった。

後ろからふわっと甘い匂いがしたと思ったら、そのまま口を塞がれて意識を失った。





-------------





突然キィン、と嫌な金属音が響いて目が覚めた。

あれ、ここどこなんだろう。

とりあえず起きようとしたのに、手も足も縛られてて動けない。

どこだ、と思って目を開けても目隠しされてるのか何も見えない。




「やーっと起きたぁ」


「ひっ...!?」


「やだなぁ、そんなに怖がらないでよ。
大丈夫、痛くはしないから」




いのちゃんでもメンバーでもマネージャーでもなく、先輩や後輩でもない声に固まることしかできない。

誰だろう、俺の前にいるのは誰なんだろう。

なんとか逃げようともがいてたら、頬に何かが触れた。

それが何かはわかんないけど、生ぬるくてベタベタしてて気持ち悪い。




「な、な...っ」


「大丈夫、すぐに楽になるから」




そう言われてそのベタベタしたやつが口の中に入ってくる。

その瞬間、それが何かすぐに分かった。

だけどいくら逃げようとしてもそれから逃れられない。

もうダメだ。もう心は折れかけてる。

嫌でも涙が溢れてきて声も出せない。

こんなことになるなら家出なきゃよかった。

いのちゃんとケンカしなきゃよかった。

だったらもっとふたりで楽しくオリンピック見てたはずなのに。

それから山ちゃんとふたりでカフェ行って、それから帰っていのちゃんと晩ごはん食べて、お風呂入って、だらだらして、一緒に寝て...っていう、いつもと変わらない過ごし方するはずだったのに。

自分も意地張って怒らなきゃよかった。

こんなんじゃもういのちゃんどころかメンバーみんなに会えないな。

後悔ばっかり押し寄せてきて、どうしようもなくて身体から力が抜けた瞬間だった。

それと同時にいま1番聞きたくなくて、だけど心のどこかでいつか迎えに来てくれるって信じてた大好きな声が聞こえてきた。




「ちょっと、何してんの」


「えっ...!?なんで、」

。→←◎ You're my hero. ( 青× )



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わたなべ(プロフ) - けーとにゃんloveさん» リクありがとうございます...!遅くなるかもしれませんがしばらくお待ちくださいませ(>_<) (2018年3月2日 21時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
けーとにゃんlove(プロフ) - リクエスト失礼します!やぶけとで甘々なお話が読みたいです!!遅くなっても大丈夫ですので、お待ちしています!! (2018年3月2日 1時) (レス) id: 2a608d2044 (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃん。(プロフ) - 了解しました!気長に待っていますね。 (2018年2月23日 19時) (レス) id: 99f1ea0a16 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - はるにゃん。さん» リクありがとうございます◎ 今回公開したのは別の方のリクエストなのでまた後日お書きいたします...! (2018年2月23日 16時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃん。(プロフ) - ひかけとでお願いします。 (2018年2月23日 0時) (レス) id: 99f1ea0a16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたなべ | 作成日時:2018年1月22日 19時

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