Donut hole. 《 JUMP × kt 》

。# ページ32

kt side





最中の山ちゃんは、どこまでも山ちゃんだった。

荒くて強引で、それでいて優しい。




｢んっ...やまちゃ、｣


｢ほんと...っいいの、？｣


｢いいのっ、！もっとぉ...っ！｣




ごめんね山ちゃん、利用して。

でも山ちゃん俺のこと大好きだもんね、だからなんでも言うこと聞いてくれるんだもん。

だから1番適任かなって思ったの。

行為が終われば気まずいのか山ちゃんはすぐに帰ってしまった。

でももうあとは何でもどうでもいい。

山ちゃん、俺が言った通りに全身に赤い跡つけてくれたし。

さすがにちょっとやりすぎたかな、喉が痛くてあんまり声出ない。

まあいいや、その方がそれっぽい。

あとはまるでそれが不可抗力だったかのように見せればいいだけ。

それからさらに部屋を荒らして電気も消して。

ふふ、いのちゃんどんな反応するかな。

あ、玄関が騒がしくなった。

いのちゃん帰ってきたのかな。

そんなに廊下走らなくてもいいよ、けいと逃げないもん。




｢け、いと...っ？｣




弱々しい声で俺を呼んだいのちゃんは、本気で心配そうな目で俺を見る。

そしていのちゃんが近づいてきたちょうどいいタイミングで涙をこぼす。

実際は目薬なんだけど。

泣きまくってダメ押しのようにいのちゃんを求めればもう完璧。

今日のいのちゃんはまるで壊れ物を扱うかのように優しかった。

俺の身体を見た瞬間血相を変えたからもっと激しいと思ったのに。

まあでも優しくてもいいな、いのちゃんがちゃんと｢好き｣って言ってくれてるみたいでこれはこれでアリ。

行為を終えて、ぐったりとソファへ倒れてたらいのちゃんはわざわざベッドまで運んでくれた。

いのちゃんはもう他のメンバーのことを嫌いになったはず。

あ、光くんは別か。まあいいけど。

そしてしばらく俺の髪を触ってたと思ったらそのまま眠りに落ちた。

で、序盤に戻る。

苦しそうな表情をしながらもぎゅーっと俺を抱きしめてて、なんならこっちの方が苦しいよって言いたいくらい。

でもそれでさえ幸せに感じる。

俺も負けないくらい抱きしめ返せば、いのちゃんは｢うぅ、｣と小さな声を漏らした。

これでもういのちゃんは俺から離れられないね。

みんなには申し訳ないけど、いのちゃんが俺だけを見てくれるようになるならなんでもいい。




｢一生愛して、いのちゃん｣





End.

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リクありがとうございました！
愛されたくて全部仕組んだけいとさん

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