All my love for you. 《 in×kt 》

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kt side





さらに数日後。

今日は大学の卒業式。

俺はもちろん、裕翔と山ちゃんも無事卒業することができた。

卒業式が終わると、別の大学の卒業式を終えた知念と合流して一緒にご飯を食べる予定。

...だったんだけど。




｢けいとーっ！卒業おめでとうっ！！｣


｢な、なんでいるの...！？｣




まさかのいのちゃんが来てた。

俺を呼ぶバカでかい声のせいで一瞬でバレて、途端に周りがざわつき始める。

裕翔と山ちゃんも聞かされてなかったらしく、ぽかんとして俺を見てる。

ふたりとも安心して、俺も聞かされてない。




｢なんでって？手帳勝手に見た｣


｢っは！？何してんの！？｣


｢ねえ8月18日のところの『流星』って何？誰？｣


｢友達だよ...｣


｢ほんとに？ねぇほんとに？｣


｢...うざい｣




なんで楽しいはずの卒業式でこんな思いをしなきゃいけないんだ。

でも来てくれたのは嬉しいな...とは別に思ってない。断じて思ってないからね。

いのちゃんに抱きしめられながらぶすくれてたら、後ろから山ちゃんに服の裾をつままれる。




｢なあに、やまちゃん｣


｢そういうのここでしないでくんない？｣


｢はぇ？｣


｢周りの視線やばいから｣




そう言われて周りを見て一気に恥ずかしくなる。

ただでさえいのちゃん自体が目立つってことをいつもすぐに忘れる。

いてもたってもいられなくて、裕翔と山ちゃんにちょっとだけ断りを入れていのちゃんを引き連れて別の棟まで走っていく。

後ろでいのちゃんがなんか言ってるのは聞かなかったことにする。




｢なっつかしいねー、うちの大学もこんな感じだったなぁ。
...え、てかここ来れるならうちの大学来れたじゃん、レベル同じくらいだから来ればよかったのに！
そしたらもっと早く会えてたのに！｣


｢...です、｣


｢へ？｣


｢一般で落ちてここ来たんです！
どうせ俺は賢くないしぃ｣


｢待って、その顔かわいい｣




いのちゃんの言葉はいちいち真面目に受けてたら恥ずかしさがカンストするから無視する。

もうほぼ来なくなるであろう教室の席に座って窓の外を眺める。

窓の外には袴で着飾った女子学生やスーツで立ち話してる男子学生など様々。

...あ、裕翔と山ちゃんもいた。

一緒に話してるのは...あ、さっき話題になった流星。とそのお友達の神ちゃん。

大学ともなれば地方の様々なところから学生が来る。

もれなくこの2人も関西から上京してきた学生だった。





...


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